BNNアーカイブ 嵐の前の静けさ |
ワールドニュース [戻る] 嵐の前の静けさ 投稿日:2006年8月11日 Naka Gerou の日記より これを書いている間にも、窓の外から人々の歓声が聞こえてくる。 永遠とも思えるこの数週間のあいだに、我々はオフィディアンの軍勢から絶え間ない攻撃を受け続けた。そして、オフィディアンの強烈な刃によって、多くの犠牲を出した。奴らは男であろうと女であろうと、子供ですら見境なしに、無慈悲かつ無差別な殺戮を行った。パプアの住民はもちろん、ブリタニア全土から駆けつけた人々が勇敢にこの街を守ったが、オフィディアンの襲撃の前に倒れた。 とはいえ「この喜びが空しいものではないか?」という疑念を、私は振り切ることができずにいる。オフィディアンたちは果てしなく部隊を送り込むことができるようだし、名誉ある戦いにまったく関心が無いのだから、あと一歩で完全な勝利を掴める状況にあった。 一方我々のほうは、文字どおり屍を乗り越えてゆく戦いだった。兵站が底を尽く危険な状況だった上に、生き残っている者たちの間にも極度の疲労が広がっていたのだから、パプアがまもなく陥落するであろうことは誰の目にも明らかだった。 それなのに、オフィディアンたちは去った。 かつて見たこともない大殺戮を引き起こしておきながら、奴らは去ったのである。 なぜ奴らが撤退したのか、私には見当もつかない。どこかで他の人たちが彼らを撃退したのかもしれないが、そうした噂はまったく聞かなかった。ここに届いた数少ない報告にも、つい数時間前までパプアが置かれていた絶望的状況と同じような場面が書かれていたのだから。 この突然の退却は喜ばしきことなのか、それともさらなる災いの前兆なのか? まもなく答が出るだろう。 外で騒いでいる無邪気な連中には気の毒だが、それは後者であるかもしれない。 7:19 2017/08/20
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by horibaka
| 2017-07-22 23:17
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