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八雲のスローライフUO
by horibaka
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残された人々(9)




2017年4月24日(月)





          ◆ Napa Valley(米国西部)シャード ◆




彼を見つけたのは、ユー市街の近郊でした。





木々の間にひっそりと佇んでいました。
e0068900_2111287.jpg

その職業表示はWachman。





直訳すると、警備員でしょうか。
e0068900_21114114.jpg






辺りには空中水桶も、空中絵画もありません。
彼が守っていた家があったことを示すものは、何も残っていませんでした。










e0068900_21124068.jpg









21:12 2017/04/24

# by horibaka | 2017-04-24 21:10 | 海外・TC日記 | Comments(0)
グレートウォール




2017年4月23日(日)






          ◆ Napa Valley(米国西部)シャード ◆




昔撮ったUOのスクリーンショットを整理していて、こんな写真を見つけました。
日付は2012年の8月、場所はNapa Valleyです。
e0068900_23561918.jpg

ユーの街の周囲が、壁で囲まれています。





壁は完成しておらず、まだ建造途中のようですね。
e0068900_2358140.jpg






まるで砦のようです。
e0068900_2356324.jpg






それらしいゲートや見張り台まであります。
e0068900_23584536.jpg

何かのイベントと連動した建造物だったのでしょうか?






こりゃ、行ってみるしかないですなw
e0068900_23591977.jpg






。。。ありませんでしたとさ。
e0068900_23593436.jpg





ブリタニア、そこは常に移ろいゆく世界。










e0068900_23595741.jpg








0:00 2017/04/24

# by horibaka | 2017-04-23 23:55 | 海外・TC日記 | Comments(0)
BNNアーカイブ 良心の撞着

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良心の撞着

投稿日:2001年6月29日


全シャード
職人に対する侮蔑の念から露にはしなかったものの、ギルヘムはその腕前に密かに驚嘆していた。その代わりに、彼は誰とも目を合わせないようにし、彼に向けられる視線を無視しながら、軽蔑に満ちた笑みを浮かべて道を闊歩するのを好んでいた。

彼は鋭く研がれた剣や、商人の店に並んでいる渡来の武器を試すのを実に好んでいた。しかし、それにもまして彼の心をくすぐり、彼の役割からも使ってみたかったのは、サベージの用いている原始的な武器であった。サベージ族は、山を掘り返し、さらに溶解した鉱石で大地を毒することを酷く嫌っていた。その代わりに、彼らは岩と木、そして硬い木のつるを用いて斧や槍を作り上げていたのだ。彼らは食糧のために狩をし、殺したものは余すところ無く使っていた。彼らが野営地を襲うと、ほんの数時間でそこに人がいた痕跡が無くなってしまうほどだったのだ。

彼が目的地に向けて曲がりくねったバザールを抜ける間も、彼の目に入るものは殆ど無かった。彼はこのような旅を幾度となく繰り返しており、街の新鮮さなどすっかりなくなってしまっていたのだ。遂に、彼は衛兵に嘲笑を投げかけながら長い階段を上っていった。庭に入ると、彼は、その著しい礼儀に反した行為に向けられる視線やささやきを気に掛けることも無く、中央にある泉で手と足を洗った。ギルヘムは玉石の上に小便をしようかとも考えたが、距離が遠すぎたために諦めた。この奇妙な軍隊の中での彼の地位は低く、希薄なものであったが故に、ギルヘムはその制限を突き出すことが殆どできなかったのだ。

「貴様!」

ギルヘムの新しい主人にへつらう妙な服装の男が、ギルヘムに話し掛けるのさえも嫌であるかのように言った。

「その汚い身体をなんとかしろ。」

男が油にまみれ薄汚れたぼろ布を投げつけると、ギルヘムはその男を睨みつけたままそれを受け取った。

「これらは名誉とステータスの象徴なのだ」と、彼は答えた。

「身に付けているのが俺の義務なのだ。」

「それは―」男は言い返すように言った。

「食糧だぞ。なぜ食い物を身体に塗りたくるのか、全く理解できないな。だがご主人様は、もし貴様が聴衆の面前でそれを拭き取らないならば、宮廷の衛兵に貴様を洗わせてやるように仰せだ。強制的にな。貴様が汚したその泉を使うが良い。」

ギルヘムは男を睨みつけたが、男が振り返ってしまったのでそれ以上何も言わなかった。描かれた線や渦の模様をその布で拭い去るのに、さほど時間はかからなかった。まるで裸になってしまったようだった。彼自身が予想していたよりも遥かに、何もかも剥がされてしまったかのような感覚を覚えた。恐らく、この感覚は彼がサベージ族と共に過ごした時間、そしてこの新しい主人に対する反感からくるものであった。しかしそれ以上に、彼自身がそのペイントを身に付けたままでいたかったのだと気付いた。

その後、ギルヘムは別の男の後について堅苦しい宮殿へと入った。彼は独り、壁掛けや分厚いカーペット、小さな噴水に大理石の像や真鋳のランタンでゴテゴテと飾り付けられた部屋に通された。彼は腕組みをし、かかとに体重をかけながら、面会の相手を待つために部屋の中央に立っていた。少し―とギルヘムは確信していた―して、彼は主人の部屋に呼びつけられた。

ギルヘムは、この部屋のブーンという音とカチカチという音、そして明かりに慣れることができなかった。彼はそれを酷く嫌った。彼にはとてもこの世のものとは思えなかったのだ。大きなカシの木のテーブルには主人と同士のために用意されたと思われる豪勢な料理が用意されていたが、ギルヘムは全く食べる気が湧かなかった。ギルヘムは心底この役割が嫌いになり、果たしてこれに見合うだけの支払いが得られるのかどうか考え出すようになった。

主人の突然の声により、彼の思考は妨げられた。その声はギルヘムには不愉快以外の何者でもなかった。

「私の召喚に、こうも素早く応じてくれたことに礼を言うぞ。」

ギルヘムは、彼の声が彼に押し寄せる嫌悪を裏切りはしないかと恐れながら、何も言わず頭を縦に振った。

「話しながら食事にしようじゃないか」ブーン、カチカチという音の感覚が狭くなる中、主人は深くしゃがれた声で言った。

ギルヘムはそれが命令であると解釈し、テーブルに向かった。旨そうに見えるものは何も無く、彼は調理された魚をとり、皮を剥きはじめた。ちょうど半分ほどの皮を空いた皿に取り去ったところで、ギルヘムは肉汁の滴る魚の肉を指でつまみ、口の中に放り込んだ。

「さて、はじめましょうか。」しもべの男が顔をしかめながら言った。

「報告したまえ。」

「全て順調です、閣下」ギルヘムはその男にではなく、主人に対してそう答えた。

「部族は緑肌をキャンプから追い払っています。大地は豊かで、彼らの良い住処となるでしょう。」

ギルヘムが続けようとしたのを遮るように、また別の男が口を開いた。

「斥候からの報告は?」

「我々は街を発見しています。しかし、それらは緑肌の領地の奥深くにあるため、偵察には危険が伴います。故に離れたところから見たに過ぎません。建物の構造から、緑肌のものであることは明白です。そこに住まうものは、貴方のように進んだ文明を持ち合わせていることでしょう、閣下。」

ギルヘムは対峙する面々の表情を伺いながら説明をしたが、特に反応は無いままだった。唯一の反応は、しもべの男がさほど驚く様子も無く頷いて見せた程度であった。

主人が再び口を開こうとすると、ブーン、カチカチという部屋の音が鳴り止んだ。

「部族には攻撃を続けさせるのだ。緑肌を追いやり、奴等の領地を手に入れろ。」

主人から重々しく命令がなされると、しもべの男はスクロールと羽ペンを机の上に広げ、慎重に書きとめ始めた。

ギルヘムは宮殿から出され、宮殿の別の場所へと急がされた。そこは強い魔法の匂いが漂うところだった。彼は序列に加わり、報酬として塗料入りの瓶がいくつか入ったバッグを受け取った。すぐさま彼は宮殿の門に案内され、一族の元へと旅を再開した。街を出るとすぐに、彼はその身体へのペイントを塗りなおし、村へと戻った。オークの最後の一団がその土地から追いやられ、そしてきっと彼らは他の種族をも追い払ったことだろう。彼は作戦を進めた。








8:07 2017/05/13

# by horibaka | 2017-04-22 08:06 | その他 | Comments(0)
BNNアーカイブ 新企画「CoMに訊け!」

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新企画「CoMに訊け!」

投稿日:2001年6月27日

BNN Reporter
全日本シャード

Reporter : こんにちは!今日は特別番組「CoMに訊け!」をスタジオからお届けします。
Reporter : 今月のCoMを受賞されたシニアカウンセラー(SRC)、歩く精神安定剤Narangさんをご紹介します!
Narang : ハロー *smiles*
Narang : すいません。お待たせいたしました
Reporter : 新人カウンセラー研修でお忙しい中恐縮です!
Reporter : さらに本日は収録スタジオまでご足労頂いて光栄の至りですっ!
Narang : こちらこそ光栄です
Narang : *bows*
Narang : お陰様で、多くの方たちがカウンセラーに立候補してくださって
Narang : 研修にも力が入ります *smiles*
Reporter : 感動です!
Narang : ただある意味、自分を鍛えているとも言えますので。
Reporter : ほう?それはどういう事でしょうか?
Narang : 素足で歩く事、皆様にお会いする事、カウンセラーへのトレーニング、
Narang : 全てが私自身を鍛えていると思っております
Reporter : なるほどっ!日々是鍛錬と言うわけですね!強烈に胸を打たれました!
Reporter : 日々是突撃取材のジャーナリスト魂に通ずるものがあります!
Narang : 裸足は辛い時もありますけれど・・・
Reporter : 良く見ると皮が厚いいやっ健康そうなお御足で。
Narang : ぽっ・・・

Reporter : ととところで、カウンセラーの皆さんは普段どのような事をなさっているのでしょう?
Narang : 私達の役割は、同じブリタニアに暮らす者として、質問や問題を抱えて悩んでいる方達の相談にのる事ですね
Narang : 辛い事や悲しい事も、一緒に受けとめて励ます事ができたらと思っています
Narang : 時には辛い時もありますが、明るく日々の暮らしに戻っていかれる方たちをお見送りするのは、本当に嬉しい瞬間です
Narang : *smiles*
Reporter : なるほどっ。大変な役割ですね!
Reporter : ところで、その見るからに目を引くSashとCrookは?
Narang : やっぱり派手ですか・・・・?
Narang : 私もちょっと戸惑っているのですが、Sashはその月のCoM受賞者が着ける事になっているのです。
Narang : カウンセラー歴でsashの色が違っているのですが、3年以上だとこのような氷色となるようです
Reporter : 経験を重ねる毎に氷点下へと近付いていくわけですね!着けていて寒くはないのでしょうか?
Narang : 結構肩に冷えが・・・
Narang : 北の方へ伺うと尚の事・・・
Reporter : 正に日々是鍛錬という所です。
Reporter : まさか北方でも素足で?
Narang : もちろんです
Narang : ジャングル、北国、切り立った岩場、常に裸足でカウンセリングなのです
Reporter : なるほど!そこまでの徹底ぶりからすると、もしや趣味が入っていたりするのですね!
Narang : 極秘ですが、私達の健康維持の秘訣なのです
Reporter : また一つカウンセラーの神秘に触れ感激の極みです!

Reporter : ところで、Narangさんはなんと今回でCoMの受賞が3回目になりますね?
Narang : はい、本当に自分でも信じがたい事に、3回目となりました
Reporter : 素足健康法恐るべし!その他に受賞の秘訣と言った物はあるのでしょうか?
Narang : ないと思います
Narang : 優秀なカウンセラーは大勢いますので、何故私が3度も受賞できたのかは不思議な気持ちです。
Reporter : いやいやご謙遜です!受賞の影には足の皮もすり減る程のご苦労をされたと確信しますが?
Narang : CoMに足る様な苦労をしているとは感じませんが、
Narang : 受賞後のsashの色には、何かと苦労しております・・・
Narang : 前回までは紫のRobeに真紅のSashでしたので・・・
Reporter : なるほど。Sashはやはり、血のような深紅に限りますか?
Narang : インパクトが強いものですから、目立つのが苦手な私にはちょっと荷が重いです。
Reporter : 人の為とはいえ飽くまで慎ましくという訳ですね。
Narang : ちょっと恥ずかしいです・・・・*blush*
Reporter : いや!その輝く氷のSashにNarangさんの謙譲の徳をしかと見つけました!
Reporter : しかし、そのCrookとSashの絶妙なるコーディネート。6月現在ブリタニアで最も目を引く生物は紛れもなくNarangさんですね。

Narang : このCrookには、少し意味があるんですよ *smiles*
Reporter : なんと?!それは是非聞きたいところです。
Narang : 6月は結婚シーズンですので、愛のAgapite色なのです
Reporter : おおっ!Crookを携え人知れず愛の使徒と化していたのですか!
Narang : 6月の花嫁の愛と幸せが篭もっています *smiles*
Reporter : そういえばカウンセラーの皆さんは結婚式の牧師も担当されるとか?
Narang : はい
Reporter : Narangさんも牧師として従事されるのですか?
Narang : 私は稀にしか担当しませんが、させていただいた事もあります
Reporter : 今月は毎日のように式が挙げられていると聞きますが、
Reporter : 牧師もまた大変なお仕事のようですね。
Narang : でも、幸せなお二人の中を取り持つ事はとても光栄ですし、うれしい事です。*smiles*
Reporter : 正に身も心も愛の使徒!私はそのCrookが描く弧の中に、まごう事なき慈悲の徳を確かに見つけました!
Narang : Item鑑定のスキルをお持ちなのですか?
Reporter : 皆無です!*bright smile*

Narang : ところで、Reporterさんに結婚のご予定は?若い女性達に人気がありそうですが。*grins*
Reporter : いやあ、僕なんかまだまだで。でもいつかは極めたい道です!
Reporter : 何故か、私のロッカーを訪れる方は男女共後を絶たないのですが。
Narang : ロッカーにはRobeがどっさりと伺っておりますが・・・
Reporter : 少し長い話しになりますが・・・私の弾き語りを聞いて頂く時間があればご説明いたしましょう!
Narang : あ、いいえ。どうかお気になさらずに
Reporter : では次の機会に是非!
Narang : はい・・・
Reporter : ところで、Narangさんご自身に結婚のご予定は?
Narang : ありません・・・・
Narang : カウンセラーは外出ばかりなので、あまり家庭的ではないかと思います
Reporter : 理想の男性像などはお持ちですか?
Narang : 勇敢な方が良いですね
Reporter : 勇敢!
Narang : 優しい方でもあって欲しいですね
Reporter : 優しさ!
Narang : 本当に勇気のある方は、本当の優しさを持っていると常々思っています
Reporter : いやあ合点がいく事ばかりです!
Reporter : 仮にBNNレポーターに例えると、どのような人でしょうか・・・?
Narang : 同じ女性として、Sarahさんはとても尊敬しております
Narang : あとできれば、お母様からは自立されている人が良いですね
Narang : 暗闇でも落ちついている殿方が素敵かしら?
Reporter : なるほど!涙で何も見えません。やはりまだまだ精進の必要がある様です。
Narang : あまりにも女性ファンが多い方などには、気後れしてしまいますね
Reporter : 謙譲の人ここにありという所ですね。感激で涙が止まりません。インタビュー中でなければLuteをひとしきりかき鳴らしたい所ですがっ
Narang : まあ一つ深呼吸でもなさってください。
Reporter : スー
Reporter : ハァァーーーーー
Reporter : げほっ!

Reporter : Abyssに届かんばかりに深く呼吸したところで、トレーニング中の新人カウンセラーの皆さんについてお聞かせください。
Reporter : 彼らはNarangさんのような徳を備えたカウンセラーとなれそうですか?
Narang : 皆さん私などよりずっと素晴らしいカウンセラーになる事でしょう
Reporter : 頼もしい!ブリタニアの未来はAgapite色と言うわけですね
Narang : ええ *smiles*
Reporter : 一つ個人的関心を混じえつつお伺いしますが、
Reporter : 彼らはトレーニングから既に素足で活動を?
Narang : 無論です *smiles*
Narang : 誠実なカウンセリングはまず素足から!
Reporter : どうやら私の想像を悠に越える過酷な世界であるようですっ!
Reporter : 私など雪原での素足トレーニングと言うだけで、Bootsに飛び乗りRobeを羽織らんばかりです!
Narang : Robeお好きですものね
Reporter : 結果的に装着頻度が高い場合があります!
Reporter : はっ!残念ながら、コミュニケーションクリスタルのチャージが切れるようです。
Reporter : 最後にインタビューをお聞きの皆さんへ一言お願いします
Narang : 何かブリタニアでの暮らしで困った事がありましたら、私たちにお気軽に声をかけてくださいね
Narang : 一緒にブリタニアで楽しく過ごしましょう *smiles*
Reporter : 特別番組、「CoMに訊け!」、CoM受賞者のNarang(3回目)さんに来て頂きました。本日はありがとうございました!
Narang : ありがとうございました


スタッフよりお知らせ:長らくおつきあい頂いた「CoMに訊け!」のコーナーは、ひとまず終了となります。ありがとうございました。








5:45 2017/05/12

# by horibaka | 2017-04-21 05:44 | その他 | Comments(0)
BNNアーカイブ 不吉な予感

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不吉な予感

投稿日:2001年6月22日


全シャード
死体を突っついていたカラスの一群は、騎士に追い払われると怒ったようにバタバタと羽ばたき、夜空へ舞い上がっていった。旅のキャラバンを襲った動物、あるいはモンスターの痕跡を探すため、彼が近辺を調べていると、死体の傍らに泥にまみれた斧を発見した。

『オークですね、閣下…。』その騎士は斧を高々とかざし、若いリーダーに向かって自分の結論を報告した。実際には『閣下』という呼びかけは、呪いの言葉のようにかすれて、若い貴族出身のリーダーの耳にはほとんど届いていなかった。

ジャーヴィスはこの場の不快感をなんとか隠しながら、声の主に振り向いた。彼は死体をこれほど近い距離で見た事はなかった。地元の領主を父に持つ息子として、つい最近騎士達への命令を下す立場に就いただけの事なのだ。しかしわずか数名を除いて、尊敬など払われていない事を認識するだけの賢さは持ち合わせていた。騎士たちは、彼の耳に入る事を知りながら、毎日のように大声で嘲りを続けているのだ。それでも彼は、この二週間続けられているあからさまで屈辱的な中傷に対して、決して弱さを見せまいと決心していた。何としても与えられた仕事をやりこなし、その過程で彼らからの尊敬を得るのだと。

ジャーヴィスは不安を退けて、生存者の気配を探し近辺の調査を続けた。調査を終えた時には、虐殺が完膚無きまで行われた事は明らかだった。誰一人として襲撃から逃れる事はできなかったのだ。コーブへの援軍として派遣されたキャラバンが全滅させられている。あたりには胸を突く死臭が漂い、ジャーヴィスは自分が正気でいられる事を祈りつつ、膝をついて足元の死体を調べ始めた。彼は近づいてきた足音に顔を上げた。それはパーティーのレンジャーだった。実際のところ、唯一人パーティーで気に入っている男だった。

『鎧に開いた口、その奥の足の傷を見てください。オークはこれほど強力な傷を残す事はできません。』レンジャーは若い貴族の心の中を読んでいるかのように語った。

ジャーヴィスもこれには気付いていた。実際のところ傷口はすべて小さく、突き刺したり鋭利な刃物で切り裂いたような痕で、オークの斧でできる大きな切り口や、棍棒で殴ってできる大きなへこみではなかった。ジャーヴィスが一人頷くと、レンジャーは話を続けた。

『恐らくブリガンドの一味でしょう。オークにしては攻撃が正確過ぎます。』

『ダスティン、しかしこの辺りではブリガンドは昔から見られていない。それに奴らは単に食料を狙って人を襲う事はあっても、このような大虐殺をするとは信じ難いと思わないか?これはブリガンドの仕業などではなく、誰か…、いや何か別の原因によるものだろう。』

ジャーヴィスは父の望んでいた、そして半ば強制的に就かされた騎士への道ではなく、追跡者や調査員になる事を夢見ていた。紳士気取りの父の言う「一般の人々」として、厳しい訓練に明け暮れる戦士とは別の道を歩みたかったのだ。

肩に掛けられた手にジャーヴィスの思考はさえぎられた。彼はレンジャーの方を向くと、自分の推測が否定されるだろう瞬間を待った。もちろん、こういった分野はレンジャーの方が専門であり、自分は単なる貴族なのだ。自分の考えなど誰も聞き入れてくれるはずもないだろう。レンジャーはそれに反して、合点がいった様な表情で頷き、軽く笑顔を見せた。

『素晴らしい、あなたはレンジャーの才能をお持ちです、閣下。』

ジャーヴィスはダスティンの言葉に喜び、またそれ以上に驚きながら、ダスティンの方でその物音がした時には、踵を返し騎士たちを呼ぼうとした所だった。ジャーヴィスは物音に気づきダスティンを見た。レンジャーの目は大きく見開かれて、その唇は何かを告げようと動いているものの、声は出ていなかった。ダスティンの顔から胸に視線を落とすと、そこには彼の血に濡れた槍が突き出ていた。ダスティンはそのまま膝をつき、槍を突き刺したまま地面に倒れこんだ。ジャーヴィスは急いで助け呼びに道を戻りかけたが、その目に入ったものに身動きが取れなくなってしまった。奇妙な姿をした人間の集団が、騎士たちに猛然と襲い掛かっていたのだ。

ついに敵はその姿を現した…。

18:35 2017/05/11



# by horibaka | 2017-04-20 18:34 | その他 | Comments(0)