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八雲のスローライフUO
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BNNアーカイブ 国王令

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国王令

投稿日:2009年1月14日

ブリタニアの市民への布告
満場一致という輝かしい団結により、統治評議会は人民のための新たな代表を貴族のうちより選出したことをここに布告する。王立大使カスカ(Casca)は、危険と平和に満ち溢れるブリタニアの人民を導くために、王の不在中、全ての権限を代行するものである。
カスカ卿はブリタニアの統治者として、よりよき道筋を追求しながら、慈愛と栄誉を持って人民を導き、かつて、そしていずれ戻られるであろう高潔な創立の主、王の徳と名誉に習うことだろう。 この決定は王国に問題が発生し、不透明な時期になされるものである。そしてカスカ卿すらもその問題に関与している。卿はこのブリタニアに混沌をもたらさんとする悪による悪の計画を乗り越えられた。不名誉な事態が彼のみに降りかかろうとも、彼は勇気と力を保ち続けた。まこと市民の模範たるべき所業である!
カスカ卿に讃えあれ!我らの王に讃えあれ!








22:42 2017/09/28

# by horibaka | 2017-09-27 22:40 | その他 | Comments(0)
BNNアーカイブ 貧乏から金持ちに

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貧乏から金持ちに

投稿日:2009年1月14日

リカルド(Ricardo)はますます痩せていた。
孤独に打ち震えながら、炭鉱の坑道を軽く手直ししただけの厳しい環境に閉じ込められるとこうなるものか、とアベリー(Avery)は反射的に思った。彼らはどこだ? そしてもっと大事なことだが、何故彼はこの監獄について何も聞いたことがないのだ?

「よう、隊長」 咳き込んで一時中断してからリカルド(Ricardo)は続けた。「見ろよ。最後に会ったときから、結構痩せただろ俺。どうだい?」
「おお、お前、何をされたらそんな風になるんだ?」

悪名高い盗賊の体は愉快そうに震えた。アベリーは一瞬その狂気を疑ったが、やがて自らも面白くなり笑い始めた。リカルドが落ち着くにつれ、笑いが咳と喘鳴に変わりその場に満ちた。彼は殴られて横たわる男を眺めて言った。

「あんまり良くなさそうだな」

アベリーはしかめ面をした。「奴らはな、私から情報が欲しいのだ」 つばを吐き、体を引き上げる。「そんなものは無いというのに」
リカルドはもう一度笑ってから、目を輝かせた。「じゃあ、俺たちは同じ問題を抱えてるってわけだ!」

「なんだと?」
「俺はここに、そう……何ヶ月も……いや、何年か……ちがうな、まあとにかく長いこと居るわけよ」 彼の思考は一時その場を離れ、目は天井を彷徨い、焦点を失う。
「それで?」
「ああ、すまんすまん。そう、長いこと、そして本当に誰も居なかった」 また笑う。「『知性』あるものはね」
「それなら何故お前はまだここにいる? 奴らは何を欲しがっているんだ、お前……いや我々から?」

リカルドの鎖は限界まで前に伸びていた、彼が壁に寄りかかるためだ。リカルドはアベリーを横目で眺めながら言った「例えば?」
アベリーは口がきけない訳ではなかったが、その唇は震えて思ったように喋れない。そこで盗賊は今ひとつの咳払いをした。「つまり、二人同時の処刑執行とか。」

「私は無実だ!」
「まあまあ、であればだ、例えば、間違った男とうっかり手を組んでしまったとか?」
「それもない! 私が主君に仕えている間に、彼の」 そこでアベリーは止まってしまった。リカルドは最近の出来事について何も知らないのだ。「彼と、その他の評議会員たちが全員死んだだけだ!」
「死んだ?」
「そうだ、ブリタニア城でみんな殺されてしまったんだ!」
「みんな?」

アベリーは再び止まった。考えながら続ける「そうだ、いや、カスカ卿(Lord Casca)はただ誘拐されただけだ。追跡して、救出した……」
突然リカルドが割り込んだ。「卿? 待て待て、今カスカ『卿』と言ったか?」
「そうだ、王立大使だ。牢獄に閉じ込められていた。最後は魔女と戦うことになって……」アベリーは自分の手を見下ろした。今だにあの出来事が起こったことが信じられない。
盗賊は手を前に払い、彼を止める動きをした。「卿。なんてこった、王立、王立大使だって?」 アベリーが半分うなずきかけたが、すぐにリカルドは話を続けた。「ふん、やがて王になる気なんだろうぜ!」

アベリーは彼を見上げた。全てはバラバラに砕けて散らばるかのようだった。
そして、前触れも無く、第三の声、か細く、消え入りそうな声が聞こえた。

「すみません」 ねずみのシェリー(Sherry the mouse)が言う、「手を貸してくれませんか?」








21:29 2017/09/27

# by horibaka | 2017-09-26 21:29 | その他 | Comments(0)
BNNアーカイブ 一杯飲んでもいいかな?

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一杯飲んでもいいかな?

投稿日:2008年11月6日

アンドリュー(Andrew)はその肥え太った体をまたぎ越えた。
酒場はいつもはほぼ空だった。数人の女給と白髪の年老いたコックがいるばかりで、見るものも無い、つまり目撃者もいない。

「助けて! 殺人よ!」女が叫び、扉に駆け出した。だが彼女はたどり着けなかった。エナジーボルトが彼女の背中に突き刺さる。琥珀色の床面に散らばるスカートと衣服の山が、頬を赤く塗りたてたまだ若い女の名残となった。

アンドリューは溜息をつくと、バーの角にある椅子を目指した。歩調は変えずゆっくりと。コックは彼を眺め、それから麺棒を見つめなおす。役にはたたんな……分かりきってる。
何故彼がアンドリューを攻撃したのか、攻撃した彼にもわからなかっただろう。何故怒りが、理知や慈愛を打ち破るほど高まったのかは。シャドーロードの力は惰弱な者の気をふれさせるに充分で、主人はすでにこの地でも大勢の民を堕落させている。
彼は椅子に座った。他の女給二人が、同僚と同じ最後を避けようと気をつけつつも扉に近づこうとしているのが見える。急に動いたりつまづいたりすればすぐに死んでしまうかのように。 彼女達には恐怖が刻み付けられていた。

アンドリューは何気なくカードを取り出すとカウンターに広げて言った。

「一杯飲んでもいいかな?」








22:09 2017/09/26

# by horibaka | 2017-09-25 22:08 | その他 | Comments(0)
BNNアーカイブ 暗黒の女王

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暗黒の女王

投稿日:2008年11月1日

「彼女はお喜びになるでしょう。」微かに光る宝石を疲れきった戦士の汚れた手から受け取りながら、メリッサ(Melissa)はそう静かに話した。暗い部屋の中で彼女の従者は押し合ったが、彼らのトーチの光は新しいリーダーが立っている暗がりに届くように思えなかった。
「これは、」彼女はそれを持った手を頭上に掲げながら始めた。「私たちの勝利への鍵なのです!」

シギルは真紅に輝き、フードに覆われたメリッサの顔へ邪悪な光を照らした。「これらが私たちの支配下にあることで、私たちははるか昔にこの土地を逃れた臆病者どもを制圧することになるでしょう!」

「彼らの安息の地、彼らの大切なトランメル、それは私たちの目の前で崩壊する定めなのです!」

彼女はシギルを胸まで下ろし歌い始めた。彼女の従者たちはそのリズムに乗り、大きくなっていくコーラスに参加していった。言葉は流れ、そして忘れられたが、それでもなお魔力は彼らの周りに集まり、霧の蔓のように中心へしみこんでいっていた。

「私たちが、眠っているブリタニアを目覚めさせるのです!」そしてメリッサの背後の暗闇ははじけ散った。
巨大で威厳のあるドラゴンが、小さな体躯のリーダーの後ろに立って彼らの前に現れていた。爪、頭、そして手が床を打ちつけると、ドラゴンの恐怖が確固たるものになっていった。いまだかつてこのようなものを見たことも感じたこともない。クリムゾンドラゴン(Crimson Dragon)、まさにカオス(Chaos)の化身。
メリッサは後ろを示しながら言った。「我らが軍勢を見よ! 我らが女王は約束したわ。『ブリタニアの人々は恐れを知ることになる!』と。」彼女はドラゴンが呼吸するように彼らを見つめた。

「私たちがその“約束”なのよ!」

神秘的な恐れの静寂が、殺戮の欲求に染まった叫びと金切り声で打ち破られた。

「彼らに私たちの悪夢をみせてやるのです!」

彼女は向きを変え、背後の存在にシギルを差し出した。鉤爪が一つのび、そしてやさしくそのアーティファクトに触れた。部屋は暗くなり、エネルギーを伴って爆発した。
シャドーロードの下級従者の前に裂け目が現れていた。かすんだ輪郭の向こうに、青空の下に広がる牧草地を見ることができた。彼らが一度も行ったことのなかった世界、彼らが嫌っていた世界。
ドラゴンはうなり声を上げ、全員に命令した。

「用意は整ったわ。行きなさい!」








5:23 2017/09/25

# by horibaka | 2017-09-24 05:22 | その他 | Comments(0)
BNNアーカイブ ダンジョンとフラゴン(洞窟と酒瓶)

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ダンジョンとフラゴン(洞窟と酒瓶)

投稿日:2008年10月21日

アベリー(Avery)は、くしゃくしゃのボロ切れ(おそらく毛布だろう)の中で目覚めた。頭は湿ったレンガに支えられ、足は枷に挟まりねじれたままだ。ここに投げ込まれたのだと彼は気づいた。おそらく最後の尋問で気を失ってから。
目はまだ閉じていた。注意深く耳をそばだて、呼吸を平静に保つ。誰かが監視していないかを確認するためだった。この場所がどこだかは分からないが、先に彼が何時間も閉じ込められていた場所よりも暗かったからだ。
記憶が渦巻いていく。- カスカ(Casca)の追跡、ガラスのナイフ、あの女性、あの人は何と言う名だったか? Mから始まるはずだ。まあどうでもいい。あの魔女が俺をガードが待ち構える中に放り込んだのだ。それから審問、糾弾、なぜ奴らは……
「おい、そこのオマエ」 しゃがれた声が、記憶渦巻く彼の頭に割り込んだ。アベリーは危うく動き出すところだった。金属が擦れ、何かがかちりと鳴り、誰かが入ってくる。その男は喉を通すために深く咳をした。
「起きてるんだろ」 彼は続けた。「見ろよ。奴らの仲間じゃないぜ、ほら」 彼は鎖を鳴らし、また咳き込んだ。
アベリーは沈黙を保った。
「おい、起きろよ隊長! この旧友を忘れちまったってのか?」
アベリーはわずかにその目を開いた。囚人房の薄暗い光でさえ眩しいほどに感じられたが、彼の向かいで男が壁に向かって咳き込んでいるのがわかった。「どうして私が誰だか知っている……」 立ち上がろうとしながらそこまで言った所で、ようやく彼の視力が戻ってきた。
「お前か!」
「そうでさ、閣下。ブリタニア一の盗人が参上いたしましたぜ」 リカルド(Ricardo)が微笑んだ。

「勝利に!」 カスカがその酒盃を傾ける。「ブリタニアの栄誉に!」
「万歳!」 一斉に声が部屋中で上がる。アベリー逮捕の祝賀はすばらしいものとなった。ブリタニア城のダイニングホールは微笑みと喧騒に満ちていた。戦士、ガード、貴族達が全てカスカに招待され、このすばらしい勝利を祝うため、統治評議会の果たした復讐を祝うために集まったのだ。
一人の戦士がその杯を傾け叫ぶ 「カスカに! 真の英雄に!」
カスカは何とかそれを静め、彼にささげられる勝利と栄誉の歓声を抑えようとした。「だが忘れるな! 友人達よ! 真の英雄とは君達のことなのだ!」
叫び声、笑い声、おおなりの拍手がそれに続く。
「そして我らは忘れぬ! 誰が我らを裏切ったか! 誰が我らの偉大な指導者達を裏切ったか!」
声は拍手をかき消すほどに高まり、怒気と反抗を含むものとなった。
「その名は何と言う?」 カスカも叫んだ。答えは分かりきっている。
「アベリーだ!」 全ての声が一つの名を唱和する。
「我々は彼をどうするべきか?」 彼の声は怒りで高まり、驟雨を散らす雷光のように轟いた。
「吊れ!」「殺せ!」 復讐に震える声が更に続く。
「違う、違うぞ! 友よ!」 カスカは声を落とし、群衆も静まりだす。彼の次の言葉を待つために。
「冷血で彼を殺すことはせぬ」
いっせいに息を吐く音。
「彼が罪の無い評議会員達を殺めたように、我らが彼を虐殺したりはしない!」
うなずく者が、つぶやく者が、厳粛に拳を突き上げる者がいる。
「だが、我々は法の下に正義を成すだろう!」
爆発したかのような拍手の嵐の中、カスカは微笑んだ。








7:19 2017/09/24

# by horibaka | 2017-09-23 07:18 | その他 | Comments(0)