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BNNアーカイブ 宝珠の守人 -希望の芽-

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宝珠の守人 -希望の芽-

投稿日:2005年8月4日


全シャード
ユーを浄化する為、様々な人や想いが行き交っています。
これからのお話は、そんな人たちのお話です。





Sakura・Yamato
Ken, the Leader of the Expedition Team

「・・・以上が、先程起こったことの、一部始終です」
「そう・・・そんなことがあったの。ご苦労様、大変だったでしょう?」
「ええ、しかし、冒険者さんの英知はすごいですね。あっという間に、その奇妙な奴を黙らせてしまいましたよ」
「ふふ、彼らは本当に、すごいわ。私もいつも、驚かされるもの」
笑顔で言うエレイン(Elaine)様の言葉に、僕は素直に頷いた。彼らの助力がなければ、僕とアレックス(Alex)は、またこうしてブリテインに戻っては来られなかっただろうから。


エレイン様が、僕を冒険者の皆さんに紹介する、と仰ったその日、僕は「ある物」が届くことを心待ちにしていた。
それは、古の種族たちの里へと導いてくれるだろう、「道しるべ」。
厳重な封印が施されたそれを、僕は、調査隊の一員であり、友人である、魔法のグランドマスター、アレックスに託した。
アレックスも、今日あたりに封印が解けそうだと言っていたから、本当に楽しみにしていたんだ。
だけど、アレックスは、約束の時間になっても来なかった。
不安。嫌な単語が頭をかすめるけれど、極力それを表に出さないようにしながら、僕は冒険者さん達の前に立った。
初対面である僕を迎えてくれた彼らの笑顔に、僕の不安と緊張は、少し和らいだ。


僕たち調査隊の、これまでの経緯を説明している間、僕は、この瞬間にもアレックスが来ないかと、待ち望んでいた。
ゆっくりと進む僕のスピーチは、きっと退屈だったろうな・・・。
それでも、僕は皆さんと、古の種族たちの里へと繋がるだろう「それ」を、一緒に目にすることが出来るように、祈っていた。喜びは、大勢で分かち合いたいから。

祈りは通じた。けれど、こんな通じ方は、望んでいなかった。
いよいよ話すことが尽きようとした時、アレックスが扉をあけて、駆け込んできた。
・・・血まみれの、ボロボロの姿で。

彼の姿を見た冒険者さんが、すぐに手当を施したけれど、アレックスはなりふり構わず、僕に告げた。
あの箱から、妙なヤツが出てきた、って。
箱と言うと、僕が彼に託した「道しるべ」だろう。それは判る。だけど、妙なヤツというのは、何だろう?
論より証拠。とにかく来てくれとの叫びに、僕は勿論、冒険者さんも、彼の後を追った。

アレックスの家に行くと、そいつは居た。ボロボロになった家具の心配も、そいつを見た瞬間、かき消えた。
彼が言葉に詰まったのも、よく判る。こんな奴、どう説明すれば良いんだ。
傍目には・・・そう、服が勝手に動いているような・・・。だけど、そこには確実に、「何か」が居る。
顔も手足もないそいつは、どこから聞こえてくるのか判らない声で、いきなり問いかけてきた。
「汝、今ハ隠レし里へノ道を求メる者か」
皆が、息を呑む。次の瞬間、僕たちよりも早く、冒険者さん達は応えてくれた。Yes、と。
「ナラば、汝、ソの資格を有するカ、汝ガ真価ヲ我ニ示す勇気はアルか」
質問が変わる。その問いにも、彼らは勢いよく、応、と応える。
「汝ガ真価ヲ我に見せヨ」
そいつがそう告げた瞬間、アレックスの家は、ふたたび戦場と化した。

やがて、そいつは冒険者さんの手により、その動きを止めた。そして・・・。


僕たちはブリテインへと戻ってきた。皆、ぼろぼろに傷ついて・・・。
彼らは陽気に笑って、気にするな、と言ってくれた。その器の大きさに感謝しながら、僕は彼らの前で、さっきの奴が置いていった、ある物を披露した。
「我ニ力を与エヨ、さレバ里ヘの道は開カレン」
聞き取りにくい言葉と共に残されたそれは・・・ひとつの水晶玉。そう、あいつは、その姿をこの水晶玉に変えた。
僕が、あいつの言葉の真意を図りかねていると、アレックスが軽く、それに触れた。
すると・・・水晶玉が突然、溢れんばかりに輝きだした!
驚く僕たちに、アレックスは言った。どうやらマナを吸われたようだ、と。
その言葉で、僕も冒険者さんも、ようやく判った。
力とは、マナ。あいつは、この水晶にマナを集めろって言っていたんだ。
とは言え、どれほどのマナが必要なのか、想像もつかない・・・。
だけど、僕の不安を余所に、冒険者さんから声が上がった。皆のマナを!と。
とても気の良い彼らの言動に、何故エレイン様が、彼らを頼みの綱としているのか、判ったような気がした。
大丈夫。彼らの力をも借りることが出来るのなら、必ず古の里にたどり着ける!
僕は、彼らの好意を無駄にするまいと、大急ぎでエレイン様のもとへと向かった・・・。


「・・・どうでしょうか。これを、みなさんの目に、手に、触れやすいところへと、置いては頂けませんか? 出来れば中庭を貸していただけると、嬉しいのですが・・・」
「貴方が、そうすることが一番だと判断するのなら、喜んで場所を提供しましょう」
「・・・・・・! あ、有り難う御座いますっ!」
深々と頭を下げる僕を見て、エレイン様は優しく、ふふ、と笑って、言葉を続けた。
「あなたを隊長に選んだのは、やはり正解だったようですね。こんなにもすぐ、彼らから気の良い言葉をもらってくるなんて、誰にでも出来ることではないわ」
「そんな・・・僕なんかよりも、もっと・・・」
「さあ、もう、お行きなさい。必要なものがあれば、城内の者に言えば良いから」
僕の言葉を遮って、エレイン様は僕を部屋から追い出してしまった。
・・・僕なんかよりも、もっと、隊長の任に適した方は、居ると思うんだけどな。





Mugen・Hokuto

「・・・なあ、聞いたかよ!」
「いや、全く。」

カウンターの片隅をいつものように陣取る2人は、会話がないまま酒を黙々と飲んでいた。
たまらずジョージ(George)が沈黙を破ったのは、4杯目のワインが運ばれてこようかという時だった。

「Yewが一昔前みてえに静かな土地に戻るかもしれねえって話さ。
 昨日、俺っちのカミさんが小耳に挟んだんだ。」
「へえ」

「何でも人間様の手で、特別な呪文が唱えられる泥人形さんを作ってよ、
 そいつに頑張ってもらって、異世界との連絡口を開こうっていう話だ。」
「へえ」

「で、その異世界の先にいる、異文化のナントカさんによ、
 こっちの世界を助けてくださいなって頭を下げてお願いするんだそうだ。
 なんとも他力本願で情けない話だとおもわねえかい。」
「いや、全く。」

ジャン(Jan)はそんな話どころではなかった。
店主とのイザコザにより、長い間勤めていた調理場の仕事を干されたのが今日のこと。
自慢の包丁さばきを披露する場所が無くなったこと、これはジャンにとって生きる場所を失ったのと同じであった。

「なんでも評議会からのお達しによるとだな、
 そのお人形さんを作るためにゃ、俺たちの力が必要なんだそうだ。
 どうだジャン、Yewのために一肌脱いでみねえか?」
「いや、全く。」

「・・・まあ聞けよ。そのお人形さんを作るためには、材料を俺たちの手で集めなければいけねえ。
 王宮の中庭に臓器保管庫が出来ていてな、そこに捌いた臓器をおいとけってこった。」
「・・・捌いた臓器?」

「そうよ、人形つったって歯車で出来た人形じゃねえ。
 本物の内臓が使われる、本物の生き物を作り出そうってんだから、評議会も恐ろしいこと考えるわな。
 それでな、ジャンよ。お前の腕前を見込ん・・・」
「すまん、忙しくなった。」
「お、おい。まだ夜中だぜ!」

ジャンは自分の勘定をカウンターに置くと、いつもの飲み屋を後にした。
酒場から徒歩数分。Britainの町外れにある墓場に赴くと、彼は愛用の仕事道具を振り被った。


使い込まれた肉切り包丁が、まばゆいばかりの月明かりを跳ね返し、その先に蠢くZombieの群れを照らす。





Asuka・Wakoku

ここはライキューム特別資料室。
調査隊隊長ケン(Ken)は必死に本棚の隅から隅まで調べている。
古の種族に会うべくポータルを作成するには、大地のエネルギーと特殊な刻印が施された台座が必要だとわかったのだが、特殊な刻印とは?そしてその刻印を彫ることが出来る彫刻家は存在するのだろうか?
「この資料室の本にに手がかりがあればいいのだが・・・」
ケンは諦めようとはせずに、コツコツと1冊ずつ丁寧に本に目を通していった。


ユー(Yew)の浄化に関して、先日見つかった資料によると、

********************************************************************

大地に力を与えるべく
貴方が植物を育てるときに、その植物が病気になったり元気が無いときにはおそらく、・Greater stregth ・Greater cure ・Greater heal などのポーションを与えるであろう。
大地そのものに力を与えるのであれば、これらのポーションを掘った穴に投入する。
また、その働きを早めるのに・Total refreshment ・Greater agility や、それ相応の力をもったスクロールなどの投入
も必要である。
また、大地が本来の働きを戻すのに新鮮な水やLogなどの投入も有効な手段である。

********************************************************************
そう書かれていた。

ユーの浄化に協力したいと集まった冒険者達の手で、ユーの町にぽっかりと口を開けた穴にそれらアイテムはどんどん放り込まれた。
その甲斐があって、穴の横に埋められた古代植物の種から芽が出たのである。
しかし、その植物が育ちきるくらいに大地が力を戻すには、まだまだ油断はできない状況である。

はたして、大地は植物を育てるだけの力を取り戻せるのか?
また、特殊な刻印が出来る彫刻家は存在するのだろうか?

手元の蝋燭が消えかかりそうになったとき、ケンは1冊の本を見つけた。


~伝統の技術を受け継ぐ者~

ミノック産の石を使い伝統のノミで丁寧に彫っていく技を受け継いでいる彫刻家がいる。
彫刻家:ウィリアム(William)氏は代々この名前を引き継いでいる。
ウィリアムという名は、腕の良い彫刻家に許された名前なのである。
この名誉ある名前は、遠い昔より伝統の刻印を正確に彫れる者だけが受け継ぐとされている。
伝統の刻印とは、古の時代に我々が別の種族と交流があったその友好の証として、「守人」からの贈り物に刻まれていた印である。
腕の良い彫刻家は年々減っており、伝統技術を継ぐ者がいなくなっているのが深刻な問題となっている。


その本を読み終えた時、蝋燭の明かりが消えてしまった。
しかし、ケンは明るい気持ちで特別資料室を後にして外に出た。

ユーに芽を吹いた古代の植物。
それはきっと希望の芽に違いない。





Mizuho・Izumo
Dan, the Adventurer

「あ・・・あの・・・ええっと・・・」
冒険者達の視線は、必死に自己紹介をしようとする「彼」に向けられていた。
話によると、彼の名はケン(Ken)。エレイン様(Elaine)が連れてきた自然学の研究生だという。
質素な服を身に纏った彼が、玉座の間でこうして冒険者達の前に連れてこられたのには理由があった。
「おい、あいつ大丈夫なのか?」俺は思わず隣にいた冒険者の肩をつついて小声で話しかけた。
「少なくともあれじゃあ、ただの小心者だよな。ははっ。あれが今回の調査隊の隊長ってどうよ。」
隣の奴の意見もやはりそうだった。しかしエレイン様が連れてきたのならばそれなりの人物なんだろう。

「ケン、後は任せましたよ。」
エレイン様はそう言うとケンを置いて玉座の間から去っていった。
しばらくはおどおどしていたケンも、自分の専攻している・・・そして今回一番重要な任務の話になると顔つきが変わり、いつの間にか冒険者達の心を捉えていた。
あれこれ話が続いていたが、俺には自然学なんて難しい事はよくわからない。
まぁわかった所だけ話せば、ユーの沼地を浄化させるには「古の種族と接触すること」そして「古の種族と接触するための装置」が必要だってことだった。
でもよう・・・このケンって若造、知識はあるけど肝心な所が抜けている。一生懸命なのは認めるがな。
玉座の間に集まった冒険者達との話の中で、その装置ってのが「ポータル」って名前でそれを作らないと古の種族には会えないってことはよーくわかった。問題はその材料だ。
「the shine and the life」これが必要らしいけどよう・・・古文書ってのはどうも苦手だ。
簡単に言えば「光と生命の可能性」ってことらしいぜ。俺はわかんねーけどな。
だが知恵のある冒険者達が次々と候補になりそうな材料を挙げている。
ケンはそれを聞いて一生懸命自分の調べた成果と見比べていたようだ。

さて、材料がわかりゃあ、早速作りに行くかってことでよう、材料を集めるのが早いだろうってことで俺達はケンがその装置の準備をしてるっていうユーの街の一角に行く事となった。
道中、沼と化したユーの街の中で魔物に出会うこともあったが、そんなのはちょろいもんだったけどよ。

現地に到着すると・・・こりゃあなんだ?ただの木が組み合わさってるのと穴、そして4つの切り株。
おいおい、こんなので本当に古の種族とやらに会えるのかよ?そう思ったのはきっと俺だけじゃないはずだ。
しかしケンはここでさらに冒険者達に向かって古文書のこんな文章を教えてくれた。

東・・・生命に降り注ぐ光。ダイヤ。
南・・・生命の源である水。サファイア。
西・・・光を吸い込み生命と変わる力。エメラルド。
北・・・燃え続ける生命。ルビー。

一つずつ丁寧に宝石を置いていくケン。そして最後に中央に開いた穴に向かってこう言った。
「生命の源、種を・・・」
しかしながら根っからの研究者っぽい奴は、穴に上手く種を入れるどころか自分が穴に落ちそうになってやがった。
おまけにソレン族の持ってるキノコまで落としちまったっていうから呆れたもんだ。
しかしケンが言う事にはそれは悪くはない、むしろいい材料なのかもしれないと。

「これらのものをできるだけ集めてください!お願いできますか?」
最後にケンは大勢の冒険者達に向かって言った。まぁ・・・これでユーの街の腐敗が浄化されるなら協力してやってもいいけどな。
まぁ、ケン・・・いや、調査隊長さんよ、がんばれよな。

そう思いつつ、俺も持っていたルビーとソレン族のキノコを数個寄付して帰路についたのだった。








22:37 2017/08/10

by horibaka | 2017-07-02 22:36 | その他 | Comments(0)
BNNアーカイブ 宝珠の守人 -紡ぎ始める大地-

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宝珠の守人 -紡ぎ始める大地-

投稿日:2005年7月22日

Clainin, the Royal Thaumaturgist
全シャード
「ふむ、なるほど。それは興味深い。」

美味しそうなピザを前にしながら、宮廷魔術師クレイニン(Clainin)はミーア族長老アドラナス(Adranath)の話に没頭している。
アドラナスがもたらしたユーを浄化するための一つの可能性。それはほんの小さな糸口でしかないが、ミーア族が伝えてきたというその口伝にクレイニンは心惹かれずにはいられないようだ。

「古代に存在したと言われる大地の守護者たち。ユーを元に戻すために何かわかればいいのですが。」

「そうですね。いや、きっと大丈夫。そのために今エレイン(Elaine)が調査隊の結成を急いでいます。多くの市民もまた力を貸してくれる事でしょう。彼らは実に頼りになります。いやしかし是非ともその守人にはお会いしてみたいものですな。」

そう言い立ち上がると、クレイニンはブツブツとつぶやきながら部屋の中をうろうろと歩き出した。
どうやら考え事に没入してしまったようだ。



「マスター・クレイニン?」

「おっと失礼しましたマスター・アドラナス。おやせっかくのピザが冷めてしまったようですな。
これは申し訳ない事を。すぐに新しいものをお持ちします。冷めたものは私の夜食にでもするとしましょう。」

そう言うとクレイニンは厨房の方へと向かって行きました。








22:35 2017/08/10

by horibaka | 2017-07-01 22:34 | その他 | Comments(0)
BNNアーカイブ 宝珠の守人 -願い-

宝珠の守人 [戻る]
宝珠の守人 -願い-

投稿日:2005年7月19日

Adranath, the Meer Eternal
全シャード
ユーが腐敗の呪文に侵されてからもう長い事経つ。
呪文の進行は食い止める事が出来たとはいえ、緑にあふれていたユーの面影はそこには無い。

私はそれからというものなんとかユーを元に戻す事が出来ないか日に日に研究を重ねてきた。

しかし・・・その試みはことごとく失敗に終わり、私やミーア達の力だけではもうどうすることもできないという事実だけが積み重なっていた。
だが・・・ある日、私は書物の中に埋もれていたある詩篇を見つけた。





宝珠の守人 古の人

断たれし糸を 繰りしは守人
裂かれし布を 継ぎしは守人

癒しの技に長ける人々
育ての才に優る人々

断たれし糸を紡ぐ為
裂かれし布を織る為に

己が知恵を頼みとし
己が力を注ぎ込み

糸を繰りしその後は
布を継ぎしその後は

己が心を癒やす為
己が体を治す為

大いなる樹と大地とを
二つに分かち離れて住まん

宝珠の守人 古の人

いずこにあらんや 古の
いずこにおわすや 守人ぞ





そうだ・・・!
もしかしたら、この守人達ならば・・・!

私は自分のマントを掴むとすぐブリタニアへと向かった。
そう、我らの願いを胸に。








0:30 2017/08/10

by horibaka | 2017-06-30 00:29 | その他 | Comments(0)
BNNアーカイブ あっけない最期

ワールドニュース [戻る]
あっけない最期

投稿日:2005年7月14日

Elaine Bayfery, the Royal Adviser

全くわけが解らない!
徳之諸島ではわけもわからないままに騙されることを「Bakekitsuneにつままれる」と言うそうだが・・・。
どうやら私もBakekitsuneにつままれたようだ・・・。
始まりは、そう。
デュプレ(Sir Dupre)が意識を回復して、色んなことを話し始めたことからだった。
初めはわけのわからないことばかり繰り返し話していて、本当に気が狂ってしまったのかと思った。
でも、何度も耳を傾けていくうちに、ある場所を指しているのではないかと気付いた。

ただ、その場所は私の知る限りブリタニアには無さそうであることしか解らなかった。
明らかにブリタニアの様式と異なる、木と漆喰でできた家。
巨大な山の麓にある、相当な広さのある建物。
デュプレを見つけたときの状況を考えてみると、やはり徳之諸島である可能性が高かった。

私はすぐに冒険者の皆の知恵を借りることにした。
彼らには本当に感謝しているの、勇敢で、知恵もあって、そして何より心優しい彼ら。

冒険者達は私の呼びかけにすぐに応えてくれた。
デュプレの回復を伝えると、彼らには安堵の表情が浮かんだ。
なんだか私もほんのり嬉しくなった。

デュプレの言っていた事は彼らの手にかかったらあっさり場所が判明した。
ロード・ブリティッシュ(Lord British)から受けた彼の使命はあのミナックス(Lady Minax)を追う事。
とすると、彼の言っていた場所はミナックスの隠れ家かもしれない。




私はその場にいた冒険者の皆に一緒に来てくれるよう頼んだ。
・・・彼らと一緒なら、たとえミナックスがいたとしても絶対に負けない!・・・そんな気がした。

でも、たどり着いた先で私達を待っていたのはあの赤い魔女ではなかった。
待っていたのはベロ・オンダリバ(Belo Ondariva)・・・。
どうやら私達は待ち伏せされていたみたいだった。
ベロは大きな獣を私達にけしかけたけれど、手下のNinjaやRonin達が総崩れになるのを見ると、またも逃げていった。

私達はベロを取り逃がしたことと、思惑が外れたことに少なからず落胆してブリテインへと戻った。
そんな私達を待ち受けていたのはレンシャイア男爵(Baron Lenshire)だった。
彼は挨拶もそこそこに首を投げた。・・・ベロ・オンダリバの首を!!

「ジェロームの借りはこれで返したな」

そう言うと、私が呆然としている間に男爵はさっさと行ってしまった。
今度会ったときにしっかり話を聞かなければ。





「卑怯者にはふさわしい末路が待っている」と良く誰かが言うけれど、ベロの最後はあっけなかった。
一体、何が、どうして?
ああ、そしてデュプレ・・・デュプレは嘘をついたのだろうか?それとも・・・。

どっちにしろこのままでは、もうしばらくつままれっ放しなのは間違いないだろう・・・。








0:26 2017/08/10

by horibaka | 2017-06-29 00:25 | その他 | Comments(0)
BNNアーカイブ 鹿苑館の変

ワールドニュース [戻る]
鹿苑館の変

投稿日:2005年6月26日

Ihara Soko, the Imperial Minister of trade
全シャード
私は今日も徳之秘宝を冒険者達から受け取っていた。
一日中交換をしているのはなかなかに骨の折れる仕事だ。
ちょっとお茶でも飲んで一息入れようと、階下に降りようとしていたその時だった。

突然玄関があわただしくなり、悲鳴が聞こえた。
階段の上から下を除くとそこにはおびただしい数のRoninと斧を構えた無法者が押し寄せていた。

禅都で随一の壮麗さを誇る鹿苑館は無法者達の手によって火を放たれ、いたるところを無法者が破壊していった。
赤いローブのフードを目深に被った妖術師の魔法、それにもう一人の赤いローブを着た男の剣。
そう、それはまるで穏やかな春の日のような禅都に訪れた雷雨だった。

そして私達は無法者達に捕われた。
その指先からほとばしる雷槌を飛ばしていた妖術師が私の前に来て言った。

「刃はどこだ?」

意外にもその声は女のようだった。

「刃?刃ならお主達が腐るほど持っているではないか。私の知るところではない。」

「白を切るつもりか?いい事は無いぞ」

そういうとその妖術師は隣にいるローブの男に目配せをした。
その男は何のためらいも無く、剣を一閃した。
そこに転がったのは私達の内の一人の首だった。

「なにをする!」

「見ての通り。言わないのならもっと死ぬことになる。」

「く・・・」

私はその男を見た。
男は目が虚ろ、そう、心がここに無い傀儡のようだった。
その妖術師が命令を下したのなら何のためらいも無くまた人を切るだろう。

「・・・わかった。その刃はあの中にある・・・。」

私は櫃の中からこの世で切れないものは無いとされてきたその刃のかけらを妖術師に渡した。

「素直なのが一番ね。」

そういうとその妖術師とは赤いローブを翻し、同じ血の色をしたローブを着た男と去っていった。
幾人かの無法者達もその後について行った。

残った無法者は・・・これ以上漁るものがないか品定めをしていた。
禅都に咲き誇った鹿苑館という花は完全に散ろうとしていた。

そこへ、来たのはエレインという女性だった。
たくさんの冒険者を引き連れ、鹿苑館に残る害虫をすべて取り払ってくれたのだ。

私は守らなければならないものがあった為その場を離れることは出来なかったが、階下にいる細工師がブリタニアから来たという彼らは無法者達を追いかけてくれるということを教えてくれた。




それからしばらくして、無法者達が殲滅された事が伝えられた。
宝もほぼ全てがまた鹿苑館に戻された。
だがしかし・・・。あの刃だけは戻ってこないのだ。

不安という名の黒雲は未だ私の心の中に残っている。








5:39 2017/08/09

by horibaka | 2017-06-28 05:38 | その他 | Comments(0)
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よみがえる息吹

投稿日:2005年6月8日



その老ヒーラーは、ぼろぼろの帽子を取り、大樹を見上げた。
小さな輝きをまたたかせた大樹を、ぼんやりとした光が覆っていた。
そして、皺だらけの手のひらを大樹にそっと押し付けた。

手のひらを通じて、吸い込んだ空気をとおして、語りかけてくる意志。
暖かで、心安らぐ不思議な感覚に、彼は目を閉じた。

「お前さんは知っているのかね…? 今度は何が起ころうとしているのか…」






「いらっしゃい、ロルフさん!」

酒場に現れた老ヒーラーを見て、カウンターの中の主人が声をかけた。

「おや、何やら大荷物じゃねえですかい。遠出でもしなさるんで?」

「よっこらせ…ふうー。ああ~、少し調べたいことがあってのう。しばらく帰れなくなりそうじゃわい。」

「あんまり無理しねえでくだせえよ。もうお歳なんだし、心配でしょうがねえや。」

主人は、マグカップになみなみとワインを注ぎ、老人に差し出した。

「ふぉふぉふぉ。老いぼれには老いぼれなりの、知恵の深さで何とかなるものよ。」

彼はワインをぐいっとあおりつぶやいた。

「あれから、ここのワインもすっかり味が落ちてしもうた…。昔はワインと言えばユーと言われたものじゃったのにのう。」

「まったくですよ。ワイン目当てにここへ来る客も、めっきり減っちまって。」

主人はため息まじりに愚痴をこぼした。

「もうここが、元の緑豊かな森に戻ることはないんですかねえ…」

「…ふぉっふぉ。実は、そのことなんじゃがの」

老人は、帽子の下の目を子供のように輝かせた。

「戻るかもしれんぞ。わしはまさに、これからその原因を調べに行くところじゃ。」

「えっ…?」

主人は、手にしたワインの瓶を落としそうになりながら、目を丸くした。

「何が起きたのかは知らん。ただ、感じるのじゃよ。大樹の息吹をな…」

「もう、病気や妙なモンスターに怯えることもなくなるってことですかい!」

「そうじゃのう~。次にここに来る時には、ワインは昔のようにそれはうまくなっておるかもしれんのう。」

老人は顔にいっそうしわを作って、ニヤリと笑った。

「そりゃあいいや!おい、お前!こっちに来てロルフじいさんの話を聞いてみろよ!」

主人はたいそう喜んだ様子で、厨房にいる妻を呼びに行った。



「あれ…? ロルフじいさん?」

つまみ代わりの料理の皿を持ち、主人が老人の席へ戻ってきたときには、もうその姿はなかった。

「もう行っちまったのか…年甲斐もないじいさんだな。本当に子供みたいだよ。」

飲みかけのカップの横に無造作に置かれたコインを拾い上げながら、彼は苦笑いした。

「戻ってきたら、どうせまた一晩中旅の話をするに違いない。じいさん用にひと樽、ワインを取っておかないとな。」

そう言うと、主人はまた厨房へ戻っていった。








5:37 2017/08/09

by horibaka | 2017-06-27 05:36 | その他 | Comments(0)
BNNアーカイブ 訪れた正義

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訪れた正義

投稿日:2005年5月25日

Crement, Britain Towncrier
全シャード
号外、号外!
ブリタニア評議会で可決されたユーの街への進軍が先日ついに決行されました。
まだ各所に戦闘の名残を留めてはいるものの、街には数ヶ月ぶりの平穏が訪れています。




攻撃はロイヤルガードのエレイン (Elaine Bayfery) 女史と有志の冒険者による第一陣、ロイヤルガードと再編成されたユーの街のガードによる第二陣に分けて行われた模様です。とくに第一陣の目標とされたユー北西の真実の法廷では激しい戦闘が行われ、女史率いる冒険者の隊には多くの死傷者が出たようです。

なお作戦に参加した冒険者からは、戦闘中にオーク達の指揮者と目される人物ベロ・オンダリバ (Belo Ondariva) を目撃したという情報も寄せられています。この人物は先のオーク軍による各都市への侵攻にも関与しているとされており、評議会は引き続き目撃情報の提供を市民に呼びかけています。

以上、BNNがお伝えしました。








22:12 2017/08/08

by horibaka | 2017-06-26 22:11 | その他 | Comments(0)
BNNアーカイブ 砂漠の隠者

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砂漠の隠者

投稿日:2005年5月13日


全シャード

ある老婆の手記 :

 いまいましい厄介なブリタニアンどもめ、あたしの静かな家に押しかけて来おって。おかげで家は傾くは、汚い靴跡で砂だらけにされるは・・・玄関で靴を脱がない連中なんぞ始めて出会ったよ。誰の指図か知らないが、ちったぁ他人を敬うとか躾ってものを身につけた方がいいわな。奴らの中には自分ちの中でも汚い動物を乗り回してる者もいると言ってたっけねえ。やれやれ、いったいどうなってるんだか。

 奴らの間では「魔導師」と呼ばれている青いローブを着た男はちったぁ見込みがありそうだった。だけど調子に乗ってあたしを馬鹿にしてくれたよ。まぁ、それは貸しにしておいてやるか。奴はあたしにある書き付けを訳してくれと頼んで来た。デュプレとかいう奴の日記だというのはわかったけれど、奴らはそれが誰なのかは教えてくれなかった。ただ重要なものであることだけはわかった。少なくともこやつは読み書きはできるようだ。余白にある、恐らくこの男の走り書きを見ると一つ一つの単語は正しく訳しているようだったが、こやつにはあたしら流の言葉遣いというものを知らないようだ。記号はその周りに何が置かれているかによってその意味が違うんだけどね。
 もしも・・・もしもだよ、このクレイニンに本当に「魔法使い」と名乗るに足るだけの知性があって、あたしの傍で何ヶ月か過ごせるならば、理解を深めるのにそう長くはかからないだろうよ。もちろん、あたしの同胞達はそんなこと認めないだろうね。まあしかし・・・そもそもここ数年来、あたしのやること為すことが同胞達に「認め」られちゃいないんだから、今さら大した問題でもないかねえ。いいかい、もしもあたしらが奴らの近くで暮らさなきゃならないとしたら、あたしらの大切にしてる伝統やら社会やらにも馴染んでいってもらわなけりゃいけないんだ。そうでないと、いつかあたしらは奴らがもたらす「文明」とやらに飲み込まれてそれらを無くしちまうだろうよ。あたしの言ってること、何か間違ってるかい ?

 あたしは奴らを使いに出した。親戚中で一番優秀だった者でさえ歯が立たなかった奴のところへね。奴らを遠くへ追っ払って瞑想したかったのさ。普段、砂漠は静かで平穏だ。だけどその暑さで集中力が試される場所でもある。だからあたしはここにいるのさ。連中を殺されたあたしの従兄弟たちの魂を自由にさせるって使いに出した時は、生きて帰っちゃこないと思ったよ、ファンダンサー共の手にかかってはね。実際、あたしの従兄弟たちだって、その年のサムライの卒業生としては首席の腕前だったというのに帰ってはこなかった。でもまあ、このよそ者たちは奴らなりのおかしなやりかたであたしらの民に何かをもたらしてくれるだろうよ。

 奴らはちょうどいいところに帰って来た、やっと集中してきたってのにね。聞くところによると、奴らはあたしの従兄弟たちの魂を見事解き放ってきたというじゃないか。あたしは、今までにもたびたびやってきたように奴らの頭ん中にどっかおかしなところがあるんじゃないかと疑ったさ。あたしの従兄弟たちと同じように、腹黒いファンダンサーの猛者や魔女どもに立ち向かっていくほど愚かなんだから。今までにも多くの者たちが彼らに挑んできたけれど悪魔どもは彼らが来世に旅立っていくのを阻止してきた。なんにせよ、この連中はあたしの試練に応えたわけだ。やっかいなよそ者たちめ、また用事を言いつけて家から追い出さなくちゃ。

 ・・・そこであたしは子供の頃の伝説を思い出した。今でこそ朽ちたる森なんて呼ばれるこの国が、まだ若々しくて生き生きとしていた頃の話さ。あたしのひぃばあさんもまだ若くって子供たちは桜の木々の下で遊び、そばじゃその小さな村の農夫たちが農作物を作ってた。正当な量の収穫物を捧げることを断って、神々を怒らせる前のことさ。その年は凶作で家族たちも飢えていたんだそうだ。こういうときは判断が鈍るものさね。主導者たちは、自分らの食い扶持を減らすよりも奉納を減らすことを選び、Zentoへ助けを求めに行ったのさ。あの街はいつだってよそ者には冷たいんだ。作物を買ってはくれるが、貧しい家族の飢えを満たすには足らなかった。もちろんあたしはブリタニアンたちに全てを話したわけじゃあない。奴らは長たらしい話を聞いてくれるような奴でもないし、そんな話をする理由さえ理解できないだろうからね。こんなに辛抱が足らない大人は初めて見たよ。

 神々は村人が奉納を怠ったのに怒って"Kami of Drought"を使わしたのさ。作物は大打撃を受け、来る日も来る日も怪物が容赦なく村人を襲った。あたしのひぃおばあちゃんは男たちに混じって村人を救うために戦い、年上の子供たちは小さい子たちを遠くへ避難させた。まったくひどい化け物どもで、いくら犠牲者が出てもその渇きは癒されることはなかった。ひぃおばあちゃん、つまりa child of ten summersは残った子供たちをつれて都Zentoに向かった。彼らの多くはBushidoやNinzitsuを学び、故郷を救おうとしたが役には立たなかった。あたしはこの異邦人らを遣わしてあたしの先祖たちの仇を討たせることに成功した。自分自身にはそんな力はないけれど、化け物どもの企んでいることをうかがい知る能力は備わっているのだよ。

 また奴らが帰ってきたよ。化け物どもを倒したとさ。奴らには限界ってものがないのかね。これで奴らがお行儀良く人の話を聞いて、玄関では靴を脱いでくれりゃあね。どんな相手にだって遣いにやれるんだが。奴らの学のない魔法使いに言ってやったよ、あの日誌を翻訳してやるってね。それから、仕上げるまでは一人にしといてくれって。このデュプレって奴の書いたものが文法的に間違ってたら、ちょいと時間がかかりそうだからね。


宮廷魔導師クレイニンの手記 :

 なんて日だ!足は痛い、マナはからからになる、頭の変な老婆のお陰でイライラさせられる!本当にエレインを呪うよ・・・。お婆は私だけじゃなく冒険者達にも失礼な口を聞くんだ。しかもだね、この宮廷魔術師のクレイニンに彼女の汚い家で裸足にさせるんだ!砂だらけになった私のローブを綺麗に洗うのに来週丸々費やさなくちゃいけないだろう。砂漠は好きじゃないんだ。エレインはどんなところでも喜び勇んで冒険心をなくさないだろうが、私は間違いなく実験室や居心地のいい自分の部屋、そして夜に暖炉の前にある腰掛に足を投げ出すのが好きなんだよ。

 その日の私は冒険者達に護衛と案内を頼み、彼女の元へと向かったんだ。我々は砂漠を越えて家とは名ばかりの汚い小屋まで老婆を訪ねて行った。そう、変な虫が何匹も我々を遠巻きに見ている中、砂漠を暑さと埃にまみれながら進んでいったんだよ。そしてたどり着いたその家では、我々が依頼した例の書付の翻訳をする代わり、対価を要求された。その対価とは尋常ではないものだった。
 ある場所に囚われた彼女の甥達・・・どうも既にこの世のものではないということだったが・・・を開放しろと言うんだ。場所はどこなのか、どんな姿をしているのか、もう少し詳しいことを聞き出そうとしたんだが、どうも私の質問の一つが酷く彼女を傷つけたらしい。凄い剣幕で追い出されて、まあ結局、そこまでに老婆から聞いた話でだいたいの場所は割り出せた。それから、そう、ファンダンサーのドージョーというところへ出かけた時のことは思い出したくもない。血がべったりと付いた壁、暗く曲がりくねった通廊、ようやく最下層にたどり着いてみれば・・・ああ嫌だ、この話は別の人の口から聞いてくれ。とにかく、我々は彼女の依頼を果たした。

 その後、もちろんのこと私はお婆のところまでゲートを開いて戻った。彼女はまた我々に無礼なやり方で挨拶をし、(そもそもあれは挨拶のつもりだったのだろうか ?) 彼女のばかばかしい習慣を強要した。私が年をとってもあのようにならないよう願っていて欲しい。我々が戻ってきたときもそうだったが、特に我々の中の一人が容易にあの魔物達を退ける事が出来たことを言った時には少なからず驚きを覚えたようだった! 私は大声で笑ってその若者に勲章を上げたいくらいだったよ。しかしながら私は平静を装い、彼女がこちらの依頼の引き受けるというのを待ったんだ。

 ・・・帰ってきて挨拶をすると、彼女は自分の要求した対価が十分ではなかったというじゃないか。その時の私の憤りを想像してくれ。なんとか理性は保ったがね。私の師が私に教えてくれた忍耐に感謝しよう。結局、我々は枯れ木ばかりの森へと向かい、そこに取り付いた"Kami of Drought"という魔物を倒さなければならない、ということになった。老婆が声高に言うには日照りの災厄の源という話だ。私はこの大陸の精霊のことや迷信のことは少ししか知らない。ただ、その魔物が我々に挑みかかってくるだろうことは薄々予想がついていた。そしてまたもや我々はその魔物を最小の被害で倒すことに成功したのだ ! 冒険者達の日頃の鍛錬に感謝しよう。彼らは非常によく団結して要求されたことをこなしてくれた。

 我々が老婆の下へ戻った時、またもや私は憤りを覚えた。まったくあの言い草といったらね ! だから、あの老婆がようやく書き付けを翻訳することに同意した時は心底喜んだものだよ、彼女自身のためにね。そして彼女は我々を追い払うべく手を振った・・・まるで女王ででもあるかのように、我々のしきたりなど全く意に介さない、というようにね ! ・・・彼女意外に翻訳をしてくれそうな人がいたのなら私は喜んでその人に頼んだだろう。

 全く酷い一日だった ! 家にいるのはいい事だ。そろそろお茶のお代わりをもらうとしよう。








22:10 2017/08/08

by horibaka | 2017-06-25 22:08 | その他 | Comments(0)
BNNアーカイブ 暴かれた悪

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暴かれた悪

投稿日:2005年4月27日

Ailsa Maclean, Peripatetic Bard
全シャード
評議会を治めておられる紳士淑女の皆様にご挨拶申し上げます。
私はある出来事の証人であり、本日皆様には私の心に恐れをもたらしたその出来事を物語りましょう・・・。

あの日、レディ・イヨナ(Lady Iyona Kondo)が市民に呼びかけているという噂を聞きつけて、私を含む多くのブリタニア市民達は城へと向かいました。急ぎ向かったその先では、クレイニン (Lord Clainin)、イヨナ、そしてオドリック (Odric) が姿を現しました。オドリックは困惑の面持ち、しかしながら他の二人は厳格な面持ちでありました。

「評議会の集まりだと聞いて来たのだが」オドリックは疑い困惑の目を二人に向けました。

イヨナは進み出て言いました、
「私達はこの集まりを市民の皆さんの前で行う必要があると考えました。そう、これからする事が終わってしまう前に。」

「『評議会の集まりがある』と言うから来たのだよ。他の評議員はどこに居るのかな?」

オドリックの声は大きく響き、しかしその響きには弱さがありました。今思い返すと、彼は何かを感づいているようでもありました。

クレイニンが進み出て、私達市民にに向かって言います。

「皆、エレインが病気病魔に侵されたになったときのことを覚えているか?」
「あの時は絶望したよ・・・私たち我々では彼女を癒すことが出来なかった。そこへ彼が現れて、ミナックスが持っていた自分の家宝を手に入れる事と引き換えに特製のポーションでエレインを救ってくれた。オドリック、あの時の君の手際には今でも感心させられるよ。」

「それを私の手柄というならばそう言ってもらって結構だ。」
オドリックは憮然として呟きました。

イヨナとクレイニンはその声を無視するかのように続けます。
「これも大分前のことになるが・・・、あのキーワナンが捕らえられたときのことを覚えているかな?あの時も、Mondain’s Embraceを持つミナックスのところまで導いてくれたのは・・・

オドリック、君だったね。ここに集まった皆の中にはあの作戦に参加した人もいるだろうから確認するまでもないか。

そして・・・結局そのMondain’s Embraceを手にしたのは誰だっただろうか?」

「なんて便利だったんのでしょうね?」
イヨナは冷たく、オドリックをにらみ睨みつけて言いました。

クレイニンは続けて言いました。
「それ以来しばらく私達がオドリック君を見かけることはなかった。
しかし最近になって、また君は現れた。マラベルとの会合を設定した、という貴重な情報と一緒にね。」


「ええ、そしてその結果!」
語気を荒げてイヨナは言いました。

「私達はマラベルの家が荒らされているのを発見し、そして彼女が殺されているのを見たわ。
これまでの出来事はなにもかも全部てあなたに都合が良すぎるのよ、オドリック!」

「何を言いたいのかな。全て評議会の力になろうと思ってした事だったのだが。私はあなたたち君達を手助けし、そしてブリタニアを救おうとしているのではないか!」

そうオドリックは冷笑を浮かべながら言葉を返したのです。

すぐさまクレイニンは私が想像もしないようなことをその口から放ちました。
「君には何か別の思惑があるのではないかね?」
と。

オドリックはその顔になおも笑みを浮かべて・・・、私も実を言うと笑いそうになってしまいました。誰がそんなとっぴな言いがかりを信じるでしょう? 私の周りの人々もざわめき立ちました。と同時に、玉座の間の空気が徐々に張り詰めてつくのが感じられます。

「何だって? 何を根拠にそんなことを言うのだ。 話があるからとわざわざ来たのに、こんな言いがかりをつけられるとは。君達とは良い関係を築けると思っていたのだがね。」

オドリックの顔には笑みが浮かんだままでした。でも私は、彼の目が玉座の間の出口を見ていることに気がついたのです。

私の周りでは「彼は反逆者だ!」「なぜそんな言いがかりを!」という声が飛び交います。クレイニンは無表情にで前に進み出ました。彼がイヨナに目配せをすると、イヨナは大きく頷き返しました。両腕を頭の上に高くあげると、クレイニンは強張った声でオドリックに声を掛けました。

「やましいところがないのなら、そこを動かないでくれ。」

そして力で満たした声を発したのです。

Vas Wis Quas

突然、玉座の間の空気が魔法の力でいっぱいになりました満たされ、そして、驚くべきことにオドリックがその姿を変えていったのです・・・見るもおぞましい姿に! 玉座の間にはどよめきが走り、あちこちで混乱が起こりました。

Kal Ort Rel

影は群衆をかき分け玉座の間の後ろへと群衆をかき分けていき、道を塞ぐ人々の間を難なく避け、巧みにすり抜けていきました。

人々は一斉に彼の後を追いました―この人々をもってして、どうやって逃げおおせることが出来るでしょう。しかしながら不運なことに、その影そのものといってよい姿は私達の手に余るものだったようです。私や他の市民達は必死に彼を追いましたが、その余りの素早さに遂には彼の姿を見失ってしまいました。

何分かの実りの無い捜索の後、イヨナと私達は王城へと戻ってきました。
影の行方について話し合いがなされているその時、伝令と名乗る男が息も絶え絶えに走ってきました。怪しい人影がコーブに向かっていったというのです!
オークどもが占領するコーブへの追跡にクレイニンは難色を示しましたが、結局イヨナと私達はコーブへと大急ぎで向かうことになりました。

もちろんのこと、私達はコーブがオークたちでいっぱいなのを目にし、ここに再びオークたちとの戦いの火蓋が切られました。この度の戦いにおいてもイヨナや冒険者達は素晴らしく勇敢に戦い、オークたちの数は少しずつ減っていきます。

激しい戦いの中で、私達の目は影のような姿の人物を捉えました。あの男です!
彼は切り立った岩山の上から私達を見下ろし、あざ笑っていました。

「少し遅かったな」その影は氷のような笑い声を周囲の山々に響かせました。
「私の名はラムズ、オドリックは仮の名だ・・・。」
「貴様らに混沌の怒りをもたらしてくれよう!貴様らの血はその脈を焼き、その骨は塵と化すだろう!ブリタニアよ、覚えておくがよい―貴様はその胸中に新たな蛇を巣食わせたのだ!」

突然、聞いたこともないような恐怖と憤怒の入り混じった叫び声が人々の間から上がりました。
私が振り返るとそこには見るもおぞましい野獣が戦士達を跳ね飛ばし、人々に襲い掛かっていました。そして・・・ラムズと名乗った黒い影はその戦いの最中、いつの間にか姿を消していました。

凄まじい戦いの後、野獣は倒れました。 同時に私達は、コーブに久し振りの静けさが戻ったことに気が付いたのです。斬っても突いても次から次へとやってきたオーク達は、今はもう見渡す限りの屍となっていました。

私達は当然のことながらこの予期しないコーブの解放に喜び沸きあがりました。それはまるで受けた傷が徐々に癒え始めていくかのような輝かしい一歩でした。
すると突然、イヨナの声が聞こえました。「あら?これは一体何かしら・・・?巻物・・・?」

そこへロイヤルガード司令官のエレイン(Elain Bayfery)がかのクレイニンから話を聞いたと息せき切らせて駆けつけてきました。

「イヨナさん!皆さん!無事ですか!?」

エレインとイヨナ、私達はお互いの無事を喜びあい、そしてコーブの解放を祝いました。イヨナはこれまでの経緯をエレインに話すと共に、先ほど見つけた巻物を手渡して示しました。

「オドリック、いえ、ラムズと名乗りました・・・が逃げる時に落としていったものだと思います。私には全くなんと書いてあるか解読できません・・・」イヨナは残念そうな様子でした。
「クレイニンに見てもらいましょう。」エレインの顔にもまた『解読できない』と書いてあるようでした。
その後、私達は再び静けさを取り戻したコーブを後に、キャッスル・ブリタニアへと凱旋を果たしたのです。

そして私は家路につき、こうしてペンをとりました。
高貴なる紳士淑女の皆様、本日起こったことをここにお知らせ申します。私の望みはクレイニン
が巻物を解読し、かわいそうなマラベルがいつの日か報われる日が来ること、ただそれを願っています。

従順で謙虚なしもべ、
Ailsa Macleanより








21:40 2017/08/07

by horibaka | 2017-06-24 21:38 | その他 | Comments(0)
BNNアーカイブ 絶望のダイゼン -Treasures of Tokuno-

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絶望のダイゼン -Treasures of Tokuno-

投稿日:2005年2月1日


全シャード
永遠とも思える数時間が過ぎて、ウェイ(Wei)はいまだにショックから立ち直れなかった。

警鐘の音に驚いて目を覚ました彼女は、窓際に駆け寄りまだ眠気でぼうっとする眼で窓の外を見つめた。路上にはいくつも人影があり、黒っぽい服を着た姿が路傍の灯に照らされて行き交っていた。
尋常でない雰囲気の恐怖に凍りついたウェイは、力の抜けた脚を踏ん張って急いでカーテンを閉め、小走りで光の届かない部屋の隅へと姿を隠した。

そして今ぼんやりとした朝の光の中、長時間からだを縮めて身を潜めていたために麻痺したその脚を震わせながら玄関の上がり段に立ち、ウェイは禅都にもたらされた大虐殺の痕を見渡していた。

夜の闇にまぎれてもたらされた混沌の痕を…。





普段からひねくれた言動を好むゴズ(Gozu)は、「ゴズと海は油断がならない」という比喩を喜んで受け入れていた。

禅都の宝物庫からくすねてきた財宝を、彼の手下の者がせわしなく船に積み込む間に雷雲はいよいよその厚みを増していた。出航してまもなく、岸に寄せて安全な船着場を探した方が良いと言った船長の助言を無視したことを後悔していた。

禅都の港からの追っ手を振り切り、猛烈な勢いの嵐の中を必死にくぐり、ゴズは待ち合わせの地点目指して際どい角度で西に向かって航行するよう船長に命じた。
荒波がまるで大砲のように激しく船体にぶつかる度に彼の信頼する手下ですら反抗的な思いを抱くようになっていた。こんな嵐に巻き込まれるくらいなら、禅都の軍勢と戦う方がましである。


ゴズは思った。

反逆者はこうした後知恵によってのみ、その存在が認められるというものである。

もしも彼の企みが成功すれば奪った財宝はクランの強化に役立ち、やがては徳之諸島全体を支配できるであろう。そして彼は、のけ者ではなく英雄の名を勝ち得るのだ。

彼の主は賢い人であったが、財宝を破壊しようという主の提案は傲慢で現実離れしており、役立たずの伝統であるとゴズは反論した。ハンザギリ(Hanzagiri)が権力の座についていた頃はよかった。つまるところ歴史は勝者によって書かれていくものではないのか?

ゴズは主が彼にこっそりと女帝の軍隊を使ってくれと頼みこむのが目に見えるようだった。ゴズは彼の主とそのクランの為に反逆者となるのだ。彼は英雄として死ぬだろう。彼の犠牲が再びハンザギリをこの徳之諸島の王座に座らせるのだ・・・。





ハンザギリ ダイゼン(Hanzagiri Daizen)-ハンザギリ クランの首領にして元徳之諸島の王座の継承者-は誉島の海岸の磯辺で苦悩していた。もうこれで九日目の朝である。

彼の心は今回の女帝に対する大胆な企みのために疲れきっていた。
彼は、ゴズが無事に帰ってくることにわずかな望みをかけていた。彼の息子たちは役に立たない者ばかりで、ゴズだけがハンザギリの未来を託すに足るだけの蛮勇さを持ち合わせていた。

ダイゼンは盗賊ではない・・・利益を求めて財宝を盗んだわけではなかった。
むしろ目的は、国民の目前で女帝を・・・さらに重要なのは貴族たちを貶めてやることだった。自分の金庫を守れない者に、臣民を守る力があるだろうか?

ハンザギリは強烈な打撃を与えることに成功した。しかしゴズとその手下は行方が知れず・・・。ひょっとしたら死んでしまっているかもしれない。
そうなるとクランにとっての報酬はなきに等しい。恥をかくだけである。

ダイゼンは毎日水平線に目を凝らす。毎日欠かさず。しかし結果はいつも同じ。戻ってくる船団も部隊もない。苦々しく思いながら坂道を登り、元大名は供の元へと戻る。

名もなき海岸・・・激しい嵐によって打ち寄せられた金銀財宝が波に洗われて何が起こるかわからない未来を待ち続けていた。








21:38 2017/08/07

by horibaka | 2017-06-23 21:36 | その他 | Comments(0)