BNNアーカイブ 二人の老人 |
ローカルニュース [戻る] 二人の老人 投稿日:2003年12月24日 全日本シャード 「で、今回はどうなさるのです?」 色とりどりのカラフルな包みが施された箱や袋の山を何とか整理しようと奮闘しながらその若い男性は、少し傷みかけている椅子に座り北風のヒュウヒュウと鳴る音をBGMにのんびりとくつろぐ主に問うた。 「そうさのぉ」 主は雪の様に白い髭を弄びながら、深く刻まれたシワだらけの顔を少しだけ綻ばせるといたずらっこのように若い男性に言った。 「今年はお前の得意なアレにしようかのぅ」 若い男性はちょっと驚いたように主を凝視したが、主はさも決まったというように一人頷いた。 「それは構わないのですが・・、あんなもので喜んで頂けるのでしょうか・・それに皆様の好みもございますし」 不安げに語る若い男に、主は何処かほっとする笑顔を浮かべて言った。 「大丈夫じゃよ。お前の腕前はわしが保障する。それにアレがないとやはり、わしはどうもこの日がきた気がせん。あと大事なのは何を贈るかではなく、気持ちじゃよ」 そう語る主の言葉に若い男は決心がついたらしく、早速家の扉を開けて風のように材料の調達に飛び出して行った。 「フォッフォッフォ。まったくせっかちな奴じゃ。材料をそろえるための金貨も持たずにどうするつもりなんじゃろうな」 主は一人そう呟くと、暫くしてうなだれて戻ってくるであろう弟子のために金貨を用意し始めた。 一方その頃。 主を良く知る一人の男の元に、一通のお知らせが届いた。 「フン、まったくあやつはまだ分かっていないようだな」 愛らしいカードに書かれた主の特別な日の企みのお手伝いをお願いする内容を見て男は一人呟いた。 「今時の連中がたかがそんなものに喜ぶわけが無かろうに。あいつらは特別な日にだからこそもっと別のものが欲しいに決まっておる。もちろん手伝ってやろうさ。ただしワシ流のプレゼントになるがな・・・」 特別な日の贈り物。 それが何かを知るは赤い服の白い髭の老人と、黒き服の灰褐色の髭の老人。 そしてもしかすると・・・それをあなたも知る事が出来るかもしれない。 そう、特別な日の夜・・・ Britanniaの空の下の何処かで。 8:20 2017/07/15
|
by horibaka
| 2017-05-18 08:19
| その他
|
Trackback
|
Comments(0)
|
<< BNNアーカイブ ムーングロウ... | BNNアーカイブ オーク戦争勃発か? >> |