excitemusic

八雲のスローライフUO
by yakumo
ICELANDia
S M T W T F S
1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
31
カテゴリ
タグ
最新のコメント
ペット扱いウケるw
by めぐ at 17:03
> めぐさん これはた..
by horibaka at 06:40
たぶん この日の話の内容..
by めぐ at 05:39
> mimiさん とい..
by horibaka at 23:45
「キャンプの安全が確保さ..
by mimi at 21:42
> めぐさん キャンピ..
by horibaka at 03:56
人間なら薪木キャンプとかも?
by めぐ at 12:24
> めぐさん マジです..
by horibaka at 11:23
リベールしたらいました。..
by めぐ at 16:27
> まーぼさん 間取り..
by horibaka at 00:33
取り上げて頂きありがとう..
by まーぼ at 18:32
> 太陽寺さん 桜シャ..
by horibaka at 22:12
えー気になる! どんな..
by 太陽寺 at 16:05
> BAR-chinさん..
by horibaka at 21:27
ニャッポコ! ものす..
by BAR-chin at 14:55
> REMUSさん い..
by horibaka at 06:17
ごめん・・・ やっとフ..
by REMUS at 16:52
> REMUSさん (..
by horibaka at 10:42
こんばんわぁ 時々..
by REMUS at 19:21
> Mie Cat@WK..
by horibaka at 08:45
リンク
*---お祭り・イベント--*
倭国:倭国首長通信
飛鳥:太陽寺リゾート
桜:さくらいべんとさぽーたーず
倭国:倭国不定季祭
瑞穂:うお色キャンパス

*---日 記---*
Mizuho New Trinsic News
空き瓶を集める日々
にるのUO復帰日記
にぼし備忘録
ああ、遥かなりブリタニア
森の黒熊亭
飛鳥ベスパー雑記
uo wkk +
一日一善百悪
るくるく雑記帳
YMT Vesper Diary
UO釣りくらら
**メロメロ日記**
片隅の寝言
Moonglow Plaza
はげんち
UOなんて大嫌い!
何気にUO
図書カフェだより
UO 新めざせ大魔術師
らすぼらの食べ方
Lusterのマーベラスな日々!!
Lemon De Pon!!
まるっとUO
Age of New Magincia
とってもUO
ペットボトル
流水落花
出雲ニューマジンシア通信
A's JINROU FILE
松崎しげる子だよ~ん
大きな桜のある街で・・・
マラカス一族のUOスローライフ
UO へなちょこ魔法使いの 日々是修行也
王国宝珠再生委員会
ごちゃごちゃメモ@UO
風和璃(Fuwa:Ri)
うるてまーち
あひるさんのおしり UO
まれにいろいろ
こゆきのゲーム日記
Strange Storage (こすもすの へんて庫)
仕立て屋ポーリオの手記
葡萄のUO日記
†覚醒†gift of my mind killed and death
RosemaryGarden
やしゃのあわわ日記
UOお弁当日記
Cotswolds
ゆきのぶろぐ♪
魚記@Hokuto
Violet's Diary
Sephirot
++みそっかすぼうけんの書@UO++
SHAMPoO or NOTHING !! 2nd
ぼーっとしてみる
つれづれ夢芝居
呑む!打つ!キレる人の日記
すかいのUO珍道中
UOを楽しもう!
Varis家の日々これ安泰
NAOMINのUO日記
新★love sniper-mikari///diari・・・♪
YomiのまったりUO日記
Cafe de Minoc 日当たり良好!


*---UO絵・漫画---*
くっちゃねの画帖
どこかで逢えたら
ブリタニアの勇者達
漫画UOjournal
えるの倉庫
うるてぃまらりあっと
あいおいつぉん
むらさきうにのUO漫画
落書き倉庫的ブログ
ココロノアトリエ
陸猫UO
L’Oiseau Bleu
魚絵倉庫
*ねこだいすき*
くまくまのへや
UOん
221B
きこり姉妹
奇跡の人
トコロン王の大冒険
ささむけのほげもり

*---お店・酒場---*
Cafe Bremen
Bar Nameless
Jiro's Shop
宵闇亭
じゃむ屋
ALEXANDRITE
Mi-Yew Store
のんたんTei
カフェ誤字
ダスタード酒場
Twins
旅立ちの扉亭
Club Smoky Medicine BAR
ムーンバッカスカフェ
BarBennu
まおうてい

*---EMサイト---*
桜EMサイト
飛鳥EMサイト
出雲EMサイト
倭国EMサイト
大和EMサイト
北斗EMサイト
瑞穂EMサイト

*---その他---*
ブリタニア観光案内所
うおろぐ
UOモンスター協会
UO職業案内所
パラリシャン
うおえん -UOEN-
ハウジングアットUO
新UO職人の部屋
乞食結社
風月庵(あみさこギルド)
笠教
さくさくリンク

以前の記事
2024年 03月
2024年 02月
2024年 01月
2023年 12月
2023年 11月
2023年 10月
2023年 09月
2023年 08月
2023年 07月
2023年 06月
2023年 05月
2023年 04月
2023年 03月
2023年 02月
2023年 01月
2022年 12月
2022年 11月
2022年 10月
2022年 09月
2022年 08月
2022年 07月
2022年 06月
2022年 05月
2022年 04月
2022年 03月
2022年 02月
2022年 01月
2021年 12月
2021年 11月
2021年 10月
2021年 09月
2021年 08月
2021年 07月
2021年 06月
2021年 05月
2021年 04月
2021年 03月
2021年 02月
2021年 01月
2020年 12月
2020年 11月
2020年 10月
2020年 09月
2020年 08月
2020年 07月
2020年 06月
2020年 05月
2020年 04月
2020年 03月
2020年 01月
2019年 10月
2019年 09月
2019年 05月
2019年 04月
2019年 03月
2018年 08月
2018年 07月
2018年 06月
2018年 05月
2018年 04月
2018年 03月
2018年 01月
2017年 12月
2017年 11月
2017年 10月
2017年 09月
2017年 08月
2017年 07月
2017年 06月
2017年 05月
2017年 04月
2017年 03月
2017年 02月
2017年 01月
2016年 12月
2016年 11月
2016年 08月
2016年 07月
2016年 06月
2016年 03月
2015年 12月
2015年 11月
2015年 10月
2015年 09月
2015年 08月
2015年 07月
2015年 06月
2015年 05月
2015年 04月
2015年 03月
2015年 02月
2015年 01月
2014年 12月
2014年 11月
2014年 10月
2014年 09月
2014年 08月
2014年 05月
2014年 04月
2014年 03月
2014年 01月
2013年 12月
2013年 11月
2013年 10月
2013年 07月
2013年 06月
2013年 05月
2013年 04月
2013年 03月
2013年 02月
2013年 01月
2012年 12月
2012年 11月
2012年 10月
2012年 09月
2012年 08月
2012年 07月
2012年 06月
2012年 05月
2012年 04月
2012年 03月
2012年 02月
2012年 01月
2011年 12月
2011年 11月
2011年 10月
2011年 09月
2011年 08月
2011年 07月
2011年 06月
2011年 05月
2011年 04月
2011年 03月
2011年 02月
2011年 01月
2010年 12月
2010年 11月
2010年 10月
2010年 09月
2010年 08月
2010年 07月
2010年 06月
2010年 05月
2010年 04月
2010年 03月
2010年 02月
2010年 01月
2009年 12月
2009年 11月
2009年 10月
2009年 09月
2009年 08月
2009年 07月
2009年 06月
2009年 05月
2009年 04月
2009年 03月
2009年 01月
2008年 11月
2008年 10月
2008年 09月
2008年 08月
2008年 07月
2008年 05月
2008年 04月
2008年 01月
2007年 12月
2007年 11月
2007年 10月
2007年 09月
2007年 08月
2007年 07月
2007年 06月
2007年 05月
2007年 04月
2007年 03月
2007年 02月
2007年 01月
2006年 12月
2006年 11月
2006年 09月
2006年 08月
2006年 07月
2006年 06月
2006年 05月
2006年 04月
2006年 03月
2006年 02月
2006年 01月
2005年 12月
2005年 11月
2005年 10月
2005年 09月
2005年 08月
2005年 07月
検索
ブログパーツ
ファン
記事ランキング
ブログジャンル
画像一覧
AX

BNNアーカイブ 血文字の伝言

ワールドニュース [戻る]
血文字の伝言

投稿日:2001年10月26日


全シャード
ドアが強く叩かれ、仕事中のクレット(Krett)は飛び上がり、何か重くて分厚い物に頭をぶつけた。低い、銅鑼でも鳴らしたような音が彼の小屋中に響き渡った。両手で後頭部をしっかりと押さえて、ゴーレムの頭を調べようと、片目で上を見上げ、クビの付け根部分の上で、ゴーレムの頭を揺すって見た。クレットはその機械の本体から後ずさり、頭蓋骨が起こしている、ちょっとした激震にたじろぎつつ、油だらけの布で両手を拭った。ドアを叩く音が続いており、彼は布きれを放り投げた。『今行くよ!』口ごもりながら彼は言った。

彼は研究品が山積みの、筋向かいあたりの階で仕事していた。半分組み立てられた状態のゴーレムの部品が、障害物コースとして認定されるだろう程の複雑さで散らばっていた。また、上にそびえる大木から降って来たかの如くちらばった書類も、一緒にばらまかれていた。壁一面に時計が並んでいた。もっともその半分は、殴り書きしたピン留めの計画書で覆われていたが。彼が歩ける場所全てを迷路と化してしまったので、彼の背後には書類の山が溢れ、床では小さな工具がカラコロと鳴っていた。クレットがドア近くまで来た時、またドアが叩かれ、そしてドアは開かれた。

『クレット!なんだ居るじゃないか!』皮の鎧を着て、背中に弓を担いだ男が言った。

『シャミノ(Shamino)? あ・・・なんだ、早かったね!入って、さあ入って!』

クレットは脇に立ち、その高名なレンジャーに入るよう促した。ただ、その小屋に入る事ができる余地は少なかったが。シャミノは、半ば分解された機械部品の山を見て、ちょっと邪魔をしてしまったかと気がついた。

『早く着き過ぎたかな?時間通りに来たはずなんだが。』そのレンジャーは床に置かれたギアの塊を興味深そうに足で突いていた。

クレットは反対側の部屋に置かれた、ほぼ完成されたゴーレムの方へと後ずさった。『私はどうも、ええと、そこの相棒の世話で時間を忘れてしまってたようだね。今何時だろう・・・』

彼の声は、何十もの時計が一斉に鳴った音で遮られた。シャミノは、細工師の時間にまつわるその小道具が出す金切り声に辟易していたが、ちょっとして、友人を見て笑いを浮かべて見せた。

「おお、6時だ。時間通りだったね。』クレットは、ゴーレムの頭をテーブルの上に持ち上げながら言った。

『クレット、私が会いに行くと連絡したのは、君の助けが必要だからなんだ。君の専門家としての意見が、非常に有効な物となると思っている。』シャミノは何気なく、上向きに置かれたゴーレムの脚に腰掛けた。

『私が?』クレットは問い返した。『なん、ええと、具体的には、私が何に、必要なんだい?』

『この機械仕掛けの連中の知識だよ』

『ゴーレム・・・』クレットが上の空で言った。

『なんだって?』シャミノが聞き返した。

『シャミノ、彼らはゴーレムと呼ばれている、“Por-Xel-Agra-Lem”だ。人間とは全く異なる。彼ら、ええと、彼らは人間見たいに見えるかも知れないが、自由な意志を全く持たないんだ。君の弓や、私の工具見たいな物なんだ。』

『Por-Xel・・・なに?』シャミノは混乱したようだった。『なんと言うんだって?』

『ええと、私が知っている事は、それはガーゴイルの言葉で”ゴーレム”という意味だと言う事なんだ。私は、彼らの言語を多く学ぶ機会があって、ええと、冒険者達が戻った時に持ち帰った、色んな小片からね。全く心を奪われるよ。』

『そうか・・・』シャミノはクレットの小さな作業場を見回し、『友よ、ガーゴイルの技術に関して、君より多くを知る者は恐らくいまい。君は現在ブリタニアにおいて、ゴーレムの大家だ。そしてだからこそ、私は君を連れて行きたい。君の知識が大変有効な物となるかもしれない。このガーゴイル達について学ぶ事に関しても、君は助けとなってくれるかも知れないな。』クレットが、彼に向かって床に座り込んでいる巨躯のゴーレムに、手際よく工具を使っている所を見るのに、シャミノは立ち上がり彼の方へと歩いて行った。『これらの物がどこからやって来たか、より多くの情報を得る為に、ニスタル(Nystul)はイルシェナーへ探索隊を送り込んだ。彼らはまだ戻っておらず、ニスタルは私に、彼の地へ赴き探検隊を探すよう頼んできたんだ。』

『君はどうして、私が一緒に行く必要があると言うんだい?私は、うん・・・精密に調査できるとも、ええと、君がそれを、持ち帰って来てくれれば。』

『そうだな、だが、君は我々が見逃すかも知れない何かに、そこで気が付くかも知れない。ブリテインから衛兵を二人連れてきているから、君の身は安全だ。』シャミノはそう請け負った。

クレットはちょっとの間、まるでいま初めて会話に気を止めたかの様に、仕事の手を止めて顔を上げた。『シャミノ、私はその、そんな立派な、冒険者なんかではないんだ。私は、ここで仕事をしている方が、ずっと気が楽だ。私は細工師だ。私は・・・そう、細工師、なんだよ。』

シャミノは、クレットと彼の研究品の周りをゆっくりと歩いて回った。『聞いた話だが、君も知っているだろう、ゴーレムが初めて現れた頃と、ちょっと変わってきている事を。』『それは本当さ!』クレットの声は、彼が作業中のゴーレムの胸の空洞から響いて来た。『ゴーレムを作ったのが誰だろうが、1回以上は設計を変更しているんだ。内部の部品が違うように見える、その、新しい方の奴と。ゴーレムがまた変化しても私は驚かないよ。』

『その新しい方の奴を見る、最初の人になろうと思わないか?一緒に来いクレット、お前の機械人形が実際に動いている所を見るチャンスなんだ。ガーゴイルの都市その物すら発見できるかも知れない。』彼は笑いを浮かべながら、近くにかがみ込んで来た。『そこにある学ぶ事ができる物全ての事を考えて見ろ』

クレットはため息をつき、仕事から手を離し、ゴーレムの頭を今度は慎重に脇へ押しのけた。彼は床にじっと目を落とし、長い間考えていた。

『私は、ええと、荷物を取って来るよ。』








クレットは馬から降り、このような獣の類に頻繁に乗らなくて良い事を喜んだ。彼には、彼のゴーレムの一体が息を吹き返し、彼を一時間揺さぶっていた様に感じられた。彼は工具と文献が全て揃っているか、自分の荷物を調べあげた。シャミノと二人の屈強な衛兵も馬を降り、周囲を探索し始めた。

『イルシェナーへようこそ。クレット、調子はどうだ?』シャミノは尋ね、彼の表情に微かな笑いの様な表情が浮かんだ。

クレットは立って友人に顔を向けた。『1時間の間、ええと、脳味噌が頭の中をはね回っていたよ。君が私に、その、何かを学べと言うのなら、それは、学ぶなんて言う望みはもう無いという事だと、思うよ。』

シャミノは友人に向かってにやりと笑った。『君は良くなるよ。ただ馬に慣れてないだけ・・・』シャミノは立ち止まり、じっくりと凝視する様に周囲を見回した。『近くにゴーレムがいる・・・こっちだ。』衛兵に目配せし、衛兵は肯いてレンジャーが指示した場所に向かって走りだした。

クレットは当惑していた。『君、君は、ゴーレムの物音が、聞こえたのか?』

『聞こえなかったか?』シャミノは片目をつぶって見せた。

二人は衛兵が走り去った方に歩き出した。歩き始めて数分後、二人は衛兵達が、まるで道端にある切り株の様なゴーレムの残骸の周りを、うろうろと歩き回っているのを見つけた。衛兵達は、その物体を破壊するのに汗一つかかなかった。洞窟は彼らの背後に口を開けている。シャミノは、クレットが興奮してゴーレムに近寄って行き、書き付けている分厚い本と一緒に、細工道具を引っ張りだしたのを見て、笑みを浮かべて見せた。

『トーマス(Thomas)、クレットとここに残って、彼の新しいおもちゃを調査しろ。』クレットはゴーレムの胸の鉄板を外しながら、シャミノを見上げてにやりと笑った。『ウィリアム(William)、一緒に来い。我々はちょっとこの洞窟を探索するぞ。地図によればこれはガーゴイルの都市に続いている。』

シャミノと衛兵は洞窟へと歩み入り、洞窟の闇に覆われていった。トーマスが傍らに立ってしげしげと見つめる中、クレットはゴーレム内部の部品を外し続けていた。時には厳格な衛兵も、ゴーレムのかけらを彼のハルバードでつつこうとした。 

『これはなんだ!』クレットは、機械仕掛けのその物体の隙間から、一つの部品を引っ張り出して叫んだ。『この部品は、ええと、そう、ええ、従来のゴーレムと違っている!部品が少ない・・・』その金属の部品の中から、微かに光がさしているのが見えた。クレットは猛然と細工道具を使って作業を続けた。『ここ・・・に何か見つけたと思うんだ。』『本当ですか?』トーマスは、クレットが夜の暗い道では決して聞きたくないような、野太い声で聞き返した。

『ああ、うん・・・そうだ。分かるかい、従来のゴーレム、私がその、いじる機会に恵まれた方の奴は、この部分に追加の部品があったんだ。私が言えそうな事は、これは何かのスイッチで、ゴーレムが休止する時にオフになるんだ。それは全て、ええと、何らかの水晶の一片が中に仕込まれている。けれどもこのゴーレムは・・・』クレットは別のパネルを開けた。『やっぱりだ。こいつの中にある水晶は無傷のままだ!従来のゴーレムは動きを止めると、水晶が破壊されるタイプの装置が付けられていたんだ!』

衛兵は顔をしかめた。

『このクリスタルをどうするかわかるかい?』クレットは興奮で跳ねたり縮んだりしていた。

『クレット!』シャミノの声が洞窟の入口からこだました。『こっちへ来い!早く!』

クレットは衛兵を見て、そして二人とも洞窟へと駆け込んだ。松明に火を点けると、今やクレットにも、その新たに掘られた洞窟の周囲に、血と死体とが見えた。具合が悪くならないように、彼は全力を尽くした。彼は戦士ではなく、今まで死人を見た事が無かった。

『すまない友よ。気分の良くない光景である事は分っているが、ここに手がかりがあるかも知れないんだ。』シャミノは洞窟の深部へとクレットを連れて行った。『これが数日前、ニスタルが送った探索隊が残した物だ。何が彼らを殺したのか私にも分らないが、なんであれそいつは、仕事をきっちりやり遂げた訳だ。』クレットは、洞窟の壁に視線を合わせようと努めて、死体には合わせない様にした。『クレット、お前の肌に合わない事なのは分かるが、衛兵がお前を守る。お前の知識が必要なんだ。』

松明を持って、クレットは周囲をゆっくりと歩き回った。人の手の感触がブーツの下に感じられた時は、ちょっと飛び上がり唾をぐっと飲み込んで、臆病さをしまい込もうとした。死体の全身を明らかにする為、松明を低く構えた。この男はここで死んだ。だが、それは自分の血で洞窟の壁に字を書いた後の事だった。『シャミノ、ええと・・・その、思うに、何か見つけたぞ!探索隊の一人が、彼が、その、私たちに、その、メッセージを残そうと、したんだ。たった一語だが、しかし、うん、私は、その、私には、何だかわからない。』

『ガーゴイル語で書かれた何かなのか?』レンジャーの声がこだました。

『調べてみる・・・うん・・・今調べているよ。』クレットはガーゴイル語について彼がしたためた分厚いノートを隅までめくった。彼は自分の知識が限定されている物だと知っていたが、壁の言葉が何を意味するか判別できない事が分かると、落胆を隠せなかった。彼にはそれがガーゴイル語なのかすら分からなかった。

『すまないシャミノ。私には、その・・・これが何だか、ええと、これがどんな意味なのか、言い表せない。名前かも知れないし、場所か、街かも・・・私には分からない。それは、その、私の資料には無くて、でもそれが何なのかは、学ぶべきだと思うんだ。この人は、君にこのメッセージを残そうとしながら、死んだんだ。』

『クレット、これは何という言葉なんだ?』松明の明かりに近付き、シャミノは尋ねた。クレットは友人を見て、そして壁に視線を戻して言った。『それには、”エクソダス”と書かれているんだ。』








0:10 2017/05/19

by horibaka | 2017-03-23 00:09 | その他 | Trackback | Comments(0)
<< BNNアーカイブ ブリテイン市... BNNアーカイブ 改造 >>