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ロストランドからの手紙【9】


・・・◆ 9/9 ◆・・・


チャイカは叫んだ。「ダン! 聞こえているよ! みんな無事か?」
「壊れてるのかな」彼の呼びかけには答えず、雑音の中の会話は続
いた。「きっと壊れてるんだよ、このクリスタル」
「送話キーを離せ!」チャイカは状況を理解したが、先方にそれを
伝えるすべはなかった。「話し終わったら送話キーを離すんだ!」
「とにかく呼び続けて。どっかで聞いてる人がいるかもしれない」
「無駄だよ。そんなことしたって……」
「いいからやって。助けは必ず来るよ。みんなにもそう言って」
「こちらニューコーヴです。誰か聞いていますか? 昨日からテラ
サンの大群に襲われています。大人はみんな死んじゃった。助けに
来て下さい。誰か聞いていますか?」
「いまいくよ!」聞こえていないのはわかっていた。だがチャイカ
は食いしばった歯の間から声を出して叫んだ。「いま助けにいく!」
激痛に撃たれたのはそのときだった。
いつの間にか高度が下がっているのに気がつかなった。
意識を失いそうになりながら必死で体勢を立て直したとき、再び眼
下の森から何本もの光条が伸びてきた。その一本が、彼の翼の半分
を吹き飛ばした。群れの中でもひときわ身体の大きなテラサンマテ
リアーチが攻撃魔法を射かけているのが視野の隅に見えた。

まだ高度があったので、墜落の衝撃は激しかった。
なんとか立ち上がったが、チャイカの片翼は千切れてなくなってお
り、飛ぶのは無理だった。腕も片方折れているようだった。
だが、まだ歩けた。
彼は物影から物影へ伝い、ときに地に伏してやり過ごし、テラサン
族の目を逃れて移動した。長い時間をかけて森を抜け、ようやく入
植地の城門に辿り着いたときには、陽はだいぶ傾いていた。
いまは町にテラサンの姿は見えなかったが、一度ならず暴走の流れ
が通過した跡があった。通りには瓦礫が散乱し、いくつもの建物が
破壊されていた。生きて動く者の姿はなかった。
「ダン!」チャイカは名前を呼びながら建物を調べていった。「エ
リー! ディーナ! クリス! リンダ!」
銀行、鍛冶屋、道具屋。どこにも子供たちの姿はなかった。ガード
の兵舎の床にはクリスタルの欠片が転がっていた。チャイカは足を
引きずりながら学校の建物に行き、教室の戸を開けた。

みんなそこにいた。
ダンも、他の子もみんな。
背高ディーナ、眼鏡のエリー、拳のギャリー、双子のクリスとリン
ダ、長髪のブレア、眠り姫のルシア……。
小さい子も年長の子も、かばい合い励まし合うように身を寄せ合っ
て助けが来るのを待っていた。ある者は手と手をつなぎ、またある
者は抱き合って身体を折り重ね、みんな眠るように目を閉じていた。
風が吹きすぎて、ダンのポケットからはみ出ている紙片を揺らした。
チャイカは、折れていない方の腕をのばしてそれを拾い上げた。
たたまれていた紙片を広げると、つたない筆跡で文字が書き綴られ
ていた。それは手紙だった。宛先にはスカラブレイの酒場が記され
ていた。手紙は所々赤い液体で濡れ、判読し難かった。
内容から、それは前回の訪問の後に書かれたものだとわかった。自
分のこと、友達のこと、町のこと、大人になったら何をしたいか、
どこへ行ってみたいか、でもどこへ行っても必ず町に帰ってきたい、
そこが自分の故郷だから、父さんたちの後を継いで町をもっと住み
やすく大きくしたい。そんな想いが幼い文体で綴られていた。
チャイカは長い時間かけて手紙を読み終わると顔を上げて空を見た。
「届けよう、きみの手紙を。それが郵便配達人の仕事だ」
どろどろという地響きが大きさを増した。暴走の流れが再び町に迫
っていた。防壁が破られ、建物が引き裂かれて倒壊した。

そのとき、突然激しい閃光がはしって轟音と熱風が空気を叩いた。
押し寄せるテラサンの大群の前方で巨大な火球が膨れ上がった。フ
ライパンの上で豆が爆ぜるように、テラサンたちは身体をまるめて
は次々と跳ね上がった。爆発は二度三度と続き、キノコ雲のような
火柱が立ち上がって辺りを焼いた。テラサンの暴走の流れは乱れ、
炎を避けてニューコーヴの町を大きく迂回した。
空気を切り裂く甲高い音が聞こえた。半身を起してチャイカが見る
と、低空を高速で飛びすぎる矢尻型の編隊が見えた。見間違えよう
もなくガーゴイル族の編隊だった。それはブリタニア女王の要請を
受けてザー女王が急派したテルマー国軍の爆撃隊だった。


従軍ヒーラーたちはチャイカの腕の骨折はすぐに治したが、失われ
た片翼の再生には180日を要した。郵便ギルドは傷病規定を適用
して年季前の離職を許可したが、チャイカは飛べるようになるとす
ぐに新しい制帽と郵便鞄を受け取った。ガーゴイルの郵便配達人は
職務を果たすためにロストランドの空へ羽ばたいていった。

ニューコーヴは放棄された。王都の議会は様々な問題を抱えており、
財政は疲弊し、住民が全滅した辺境のコロニーを顧みる余裕はなか
った。人間のいなくなった開拓地は数ヶ月経つうちには切り拓かれ
る前の深い原生林にゆっくりと浸食されていった。
半年ほどたったある日、ブリタニアの若き女王は議会に対してニュ
ーコーヴの再建を勅命した。充分な予算と時間をかけ、慎重に選ば
れた人員と資材が投入されて、そこは再び人間の土地になった。人
間たちは、今度はその土地を手放さなかった。あとからあとからた
くさんの開拓民がやってきて、町はもとの何倍もの大きさになり、
やがてその地方での交易の拠点になるまでに発展した。
町の学校ではどの教室でも子供たちが元気に笑い、遊び、そして学
ぶ姿を見ることが出来た。開拓地の暮らしは決して楽ではなかった
が、生活は年々少しづつ豊かさを増し、そこで生きる子供たちは両
親や大人たちの愛情に包まれて黄金の日々を過ごし、自分たちの未
来を希望に満ちて語り合い、想いを馳せた。

何が女王の心を動かしたのか。歴史にはよくあることだが、その本
当の理由はついに明かされることはなかった。だが、誰が言うとも
なくささやかれ、伝えられた一つの物語があった。それは人から人、
町から町、親から子へと伝えられ、やがて伝説になった。
あなたがもし、いまもまだブリタニアの旅人ならば、どこかの町の
酒場の暖炉の前で吟遊詩人が静かに弾き語るその物語を聞くことが
あるかもしれない。
ロストランドからの一通の手紙の物語を。









(この物語はフィクションです。登場するキャラは架空のもので、
 物語の設定は実際のUOの設定には必ずしも準拠していません)


by horibaka | 2012-03-04 07:49 | その他 | Comments(0)
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