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ロストランドからの手紙【2】


・・・◆ 2/9 ◆・・・


デルシアは周囲を高い岩山に囲まれた天然の砦だった。
厚く堅牢な城門はいまは無防備に開いていて、羊飼いの追う羊の群
れがのんびりと通っている。城門の内側には田畑と平野と奥深い森
と、ひとつの町と幾つかの小さな村があり、ブリタニアとはトリン
シック洞窟で繋がっていた。
チャイカは家々を飛び回って手紙を配達した。彼が通った後の家の
ポストには旗が立っていった。ポストがない家では扉を叩いて手紙
を手渡した。
「アデラ婆さんの家なら、町の反対側の外れだよ」チャイカが道を
尋ねると宿屋の主人は太い腕を上げてその方向を示した。
「大きな家だから行けばすぐにわかるよ。あんた、新しい郵便屋さ
んかね?」宿屋の主人は髭面に悪戯っぽい笑みを浮かべた。
「だったらアデラ婆さんには気をつけな」
「何か問題でも?」
チャイカは聞いたが、髭面は行けばわかるよと言うだけだった。

教えられた家はすぐにわかった。もとは立派な屋敷だったようだが
手入されなくなって久しいようだった。チャイカは大きな翼を羽ば
たかせて雑草が伸び放題になっている庭に降り立った。
「わたしはてっきり」老婆はチャイカを招き入れ、品よく静かに微
笑んだ。「お迎えが来たのかと思いましたよ。あなたはガーゴイル
族ですね?」
「わたしは郵便配達人だ。あなたへの手紙がある。差出人は……」
「ハンスですか?」老婆は目を輝かせた。「わたしの息子のハンス
ですよ。毎月手紙をくれるんです」
「いい息子さんだね。ではこの手紙を……」
「ブリテインで兵役についているんです。予備役だったんだけど、
五年前のオフディアン戦争のときに召集されて。それから一度も帰
って来ないんです。でも手紙はちゃんと毎月くれるんですよ」
「ではこの手紙を……」
「あなた、悪いけど読んで聞かせてくれないかしら。わたしはこの
とおり目が弱ってしまって」
「わたしが聞いている郵便配達人の業務の中には、手紙の朗読は含
まれていないが」
けっきょくチャイカは同じ手紙を十回以上も読んで聞かせた。
老婆の家を辞したのは、夜も遅くなってからだった。

それから月に一度、ハンスからの手紙が来るたびにチャイカは老婆
の家に配達し、夜遅くまで何度も手紙を読み聞かせた。
手紙が読まれている間は、時が五年前に巻き戻ったように彼女の表
情は生き生きとしていた。老婆は高齢で健康状態はよくなかった。
毎月の手紙を楽しみに余命を繋いでいるようだった。
ある日チャイカは老婆に言った。
「なぜ返事を書かないのだ?」
「わたしはこのとおり目が弱ってしまって」老婆は寂しそうに言っ
た。「それに何を書いていいのか……」
「手紙は想いを伝えるものだよ。あなたの気持を書けばいい」
「わたしの気持ち?」
「よければわたしが代筆してあげよう」郵便配達人の業務には手紙
の代筆は含まれていなかったが、まあいいだろう。
長い長い時間をかけて、老婆は手紙を口述した。
「ありがとう、郵便屋さん。なんだか肩の荷が下りた気がするわ」
「本当にこの内容でいいのかね」やっと書き終わった手紙を封筒に
入れながらチャイカは怪訝そうに言った。
「これでいいのよ」老婆の顔は晴々として、眼差しは優しかった。
「その手紙をよろしくね、郵便屋さん」

数日後、老婆は静かに息を引き取った。

そのひと月後、チャイカが町外れを通りかかると一人の兵士が共同
墓地の中に立っていた。その男はまるで塑像のようにひとつの墓碑
の前に無言で立ち尽くしていた。それはあの老婆の墓だった。
「知り合いかね」
チャイカが声をかけると男は顔をあげた。まだ若い青年だった。
「ハンスさんかい?」チャイカは聞いた。老婆の息子にしては少々
若すぎたが、ヒューマンの外見上の微妙な年齢の差異は、チャイカ
にはまだ見分けられなかった。男は無言のまま首を振った。
チャイカは男に近づきながら言った。
「手紙を書いてくれていた人だね」
男は再びうつむいた。そしてだいぶ間をおいた後で、ぽつりぽつり
と話しはじめた。「ハンス兵長は勇敢な人でした。五年前のあの日、
自分と兵長は斥候に出て、オフディアンの大軍に包囲され孤立して
しまいました。状況は絶望的でしたが、兵長は諦めず、奮戦して、
奇跡的に脱出することが出来ました。しかし兵長は深手を負い、味
方の宿営地に戻る途中でとうとう動けなくなってしまいました。
亡くなる前の夜、兵長は自分に言いました。おれはもうダメだが、
お前は必ず生きて帰り、おれの代わりにデルシアのお袋に手紙を書
いてくれ、と。そして夜通し故郷のデルシアの思い出を語ってくれ
ました。兵長が死んだ後、自分は一人で宿営地に向かいました。厳
しい道のりでしたが兵長との約束が心を支え、なんとか生きて帰る
ことが出来ました。
そのあとの五年間、自分は嘘の手紙を書き続けました。何度も止め
ようと思いましたが、本当のことを書く勇気がありませんでした。
自分の母親は自分が幼いころに死んでいるので、自分には母の記憶
がありません。手紙を書き続けているうちに、兵長の母上が自分の
母親のように思えてきました。会いたかった。だが母上を悲しませ
るのが怖くて、どうしても会いに来ることが出来ませんでした」
「アデラさんは気づいていたよ」チャイカは言った。「誰かがハン
スさんの代わりに手紙を書いてくれていたことを。それはたぶんハ
ンスさんが死んでしまったからだろうと。知っていて、それでもい
つも手紙を楽しみにしていた。何年も続けてくれて本当に有難い、
まるで本当の息子のようだ。いつか会ってみたいと言っていたよ」
チャイカは封筒を差し出した。「アデラさんからの手紙だ。わたし
が代筆した。受け取ってくれるかい」
男はおそるおそるといった様子で封筒を受け取り、中の手紙を読み
はじめた。手紙を持つ手が震え、落ちた水滴がインクをにじませる
のをチャイカは見た。
「もっと……」男は絞り出すような声で何度も何度もつっかえなが
ら言った。「もっと早く会いに来ていればよかった」
男は墓の前でいつまでも泣き続けた。








(この物語はフィクションです。登場するキャラは架空のもので、
 物語の設定は実際のUOの設定には必ずしも準拠していません)


by horibaka | 2012-02-26 05:01 | その他 | Comments(0)
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