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レクイエム【8】


・・・◆ 8/9 ◆・・・


森の中に夜の帳が降りはじめていた。
エマとアンディは大きな木の根元に腰を降ろして、しばし足を休め
た。エマはランタンに明かりを灯した。兵隊に見つかるかもしれな
かったが、夜の森の中で明かり無しでいる方が危険だった。
彼女はカバンの中を漁ってキャンディステッキの最後の一本を取り
り出すと、アンディに差し出した。赤と白の縞模様の菓子を受け取
ると、彼はそれを二つに折って半分をエマに返した。
「ともらちは、わけはうのよ」
小さな菓子の欠片を口いっぱいに頬張りながら、エマは思った。こ
の森のどこかにアンディの国への道があるのだろう。彼が話して聞
かせてくれた翼のある人たちの国テルマーと、その都ロイヤルシテ
ィへ通じる道が。祖父に別れを言えなかったのが気がかりだったが、
引き返すつもりはなかった。エマの心は自分でも気付かないうちに
この異邦人の友達に強く依存するようになっていた。
疲れたエマがうとうとしはじめる様子をアンディは黙って見つめて
いた。人間の姿に変身しているその顔には、焦燥の色を読むことが
できた。この幼い人間の子供を連れていてはとても間に合わない。
事態は分秒を争うだろう。過ぎていく一秒一秒が破滅に向かってカ
ウントダウンしているように感じられた。
だが自分が間に合わなければ、結局はこの地も戦火の渦中に飲まれ
るのだ。この子を連れてどこか他のファセットに逃げようかという
考えが一瞬よぎった。
どの道を選択するにしても、決断に時間はかけられなかった。

エマが気付いたとき、そばにアンディの姿はなかった。
慌てて辺りを見回すと、木々の間を歩き去っていく背の高いターバ
ン頭の人影がわずかに見えた。
「待ってよ!」エマは叫んで後を追ったが、アンディは聞こえない
のか立ち止まろうとしなかった。二人の距離はさらに開いていった。
見慣れた姿が、夜の中に遠ざかっていく。
(アンディが行っちゃう!)
必死で後を追ううちに、ずっとつかえていたものが外れて、止まっ
ていた何かが流れはじめるような気がした。小さな胸の中で急速に
大きくなっていくもの。置いていかれる不安。親しい誰かがいなく
なる不安。それは原初の感情だった。
すでに姿の見えなくなったアンディの名を叫びながら、エマは暗い
森の中を走った。走りながら目頭が熱くなり、たまっていた涙が堰
を切ったように溢れだして頬にこぼれた。
暗さと涙で前が見えなかった。下草に足をとられて転倒した場所は、
谷に突きだした高い崖の上だった。
彼女は悲鳴をあげて、真っ暗な谷底に頭から墜ちていった。

次にエマが目覚めたとき、自分が誰かの腕に抱きかかえられている
のが分かった。それはとても懐かしい感覚だった。
人間の変身を解き、本来の姿に戻ったアンディは、ガーゴイルの黒
い翼を大きく広げて羽ばたいていた。明るい二つの月を背景にして、
人間の少女を抱えたガーゴイルのシルエットが夜空を横切った。
エマは安心したように、再び意識を失った。


篝火の明かりの下で、女隊長は伝令からの報告を聞いた。
包囲網は完成し、各部隊は配置を終えた。女隊長は夜空を仰いで、
二つの月を見上げた。「夜明けとともに進軍を開始する」


二つの月の明かりの下で、黒いゲートは漆黒の光を発して揺らめい
て見えた。
それは異世界への門だった。門がこの大きさに開くまでには月齢が
ひと巡りするほどの時間がかかった。これを固定しておくためには
人間がまだ知らない強力な魔法が使われていた。
ゲートのそばには二人のガーゴイルがいた。外見からは異種族のシ
ルエットを見分けるのは難しかったが、片方のガーゴイルは将軍の
そばにいた若い文官に似ていた。二人の様子は上官と部下のようで
もあり、また父と子のようでもあった。
彼らの周囲の空間には、記録水晶から投影されたたくさんの小さな
映像がきらきらと輝きながら動いていた。
人間の土地、人間の家、人間の都市、人間の図書館、人間の港。そ
こに暮らす無数の人間たち。男、女、老人、子供…。水色の髪の少
女のたくさんの映像が、走り、止まり、話しかけ、海を見つめ、タ
ーバンを巻き、絵本を読み、首をかしげ、腕組をし、大きすぎるカ
バンを引きずり、水筒を差しだした。
もしこの場にガーゴイル語がわかる者がいたら、二人の会話はこん
な風に聞こえただろう。
「あなたのこの調査報告と勧告は、陛下も承認されました。将軍は
更迭され、テルマー国軍はすでに撤収をはじめています」
「間に合ってよかった」
「将軍は立派な武人でした。同胞思いの憂国の士でした」
「わかっている。この接触は早すぎたのだ。あと十年も経てば、ガ
ーゴイルもヒューマンも、もっと異文化への寛容さを学ぶだろう」
「ヒューマンはいずれ、ガーゴイルのよき隣人になるでしょう」
「だが、ゲートをこのままにはしておけない。ロイヤルシティの城
壁の外には、住む家を失った難民が日毎に増えている。政情はなお
不安定だ。他のファセットの土地を奪おうなどという暴挙が再び起
きないとも限らない。この門は破壊しなければならない」

短い抱擁が交わされたあと、片方の人影がゲートの中に消えて行っ
た。どちらが戻り、どちらが残ったのかは定かではなかった。
残った一人はしばらく佇んだあと、長い呪文(スペル)を詠唱し、
最後に印を結んだ。
黒いゲートを繋ぎ止めていた強大なエネルギーが解放される前触れ
に、夜明け前の空気がびりびりと震えはじめた。
「友達ダカラ…」
人間の言葉でつぶやいたその声を、聞いている者はいなかった。


早朝の朝もやに煙る森の奥で、ロイヤルガードたちは木々が広い範
囲にわたって同心円状に倒れている場所を発見した。
その中心には真新しい深い爆発孔が口を開けていた。
それは未明に轟いて島を震わせた爆発の現場に違いなかった。
激しい爆発だったことは、誰の目にも明らかだった。何者もこの付
近にいては難を逃れ得なかっただろう。
女隊長は長いこと現場を見つめていたが、やがて撤収命令を出した。
爆発孔の中には、何も残っていなかった。
何も。







(この物語はフィクションです。登場するキャラは架空のもので、
 物語の設定は実際のUOの設定には必ずしも準拠していません)


by horibaka | 2010-12-30 12:59 | その他 | Comments(0)
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