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八雲のスローライフUO
by horibaka
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レクイエム【5】


・・・◆ 5/9 ◆・・・


わたしがムーングロウを訪れたのは、ちょうどその頃だった。
老学士とは歳は離れていたが、古い友人だった。投宿先のスカラブ
レイの酒場に届いた彼の手紙には、なにか急を告げるものがあった。
あとから思えば、このタイミングがもう少し早くても、遅くても、
わたしがこの物語のことをわずかでも知る機会はなかっただろう。

島に一つだけのムーンゲートから出たとき、時差で少し目眩がした。
スカラではまだ宵の口だったが、ムーングロウは早朝だった。
島のゲートは海抜の高い場所にあるので、気圧の差で耳が鳴った。
いったん徒歩で市街に入り、そこからテレポーターを乗り継いで、
島の南端近くに飛ぶ。あたりの景色はようやく朝日に照らされはじ
めた。綿畑の綿花が一斉に開花して、一面に白く輝いて見える。
朝もやに霞む田畑の中の小道を足早にくだっていくと森の外れの、
海を臨む岬の上に、大きくて複雑な外観の金属製の建造物がその見
上げる上部に朝日を反射して輝いているのが見えた。
それが〈望遠鏡〉だった。
母屋の戸を叩こうとしたわたしの目の前でドアが勢いよく開いて、
女の子が飛び出してきた。
「おはよう、エマ。おじいさんは起きてるかい?」
「おはようございますっ」顔見知りの少女は息を弾ませて答えた。
「おじいさんはまだ〈望遠鏡〉の中だお」
それからふと、何か思いついたように、急に声をひそめて言った。
「ねね、八雲さん。背中に羽根がある人のこと、知ってる?」
何の話だい?と聞き返そうとしたとき、
「今度の友達は、羽根があるのかい」声が頭上から降ってきた。
見上げると〈望遠鏡〉の上部の点検用の小窓から老学士が顔を覗か
せていた。少女は祖父の言葉には答えず、小道をパタパタと駆けて
行ってしまった。


〈望遠鏡〉というのは、この世界(ファセット)の空間の歪みや亀
裂を観測する巨大な機械装置で、その動作原理は半分は科学的、も
う半分は魔法的なものだった。もともとは学術目的で建てられたも
のかも知れなかったが、いまではここはブリタニアの早期警戒網の
一端となり、老学士の一族が代々世襲で任についていた。
ここはかつて、ブリタニアの誰よりもはやくミナクスの襲来を探知
した場所だった。オフディアン侵攻の最初の警報もここから発信さ
れたのだった。
内部の観測室は薄暗いが、かなり広い。わたしはテーブルの上の指
しかけのチェスボードに手を伸ばして、自分の駒を1つ動かした。
年に何回かこの場所を訪れるたびに数手づつ進めている勝負は、も
う何年越しになるだろうか。
「いい子なんだがね、同じ年頃の友達が出来なくてね」老学士の声
には、疲労の色が濃かった。「それでいつも、想像で友達をつくっ
て一人遊びをしてるんだ」
「まだ治らないのかい?」その問いに、老学士からの返事はなかっ
た。返事がないことが、答えだった。
数年前、流行病(はやりやまい)がこの地方で猛威をふるい、たく
さんの火葬の煙が空に立ち上った年以来、エマは笑うことも泣くこ
ともなくなった。何年たっても、幼い顔立ちは人形のように無表情
なままだった。
老学士は分厚い観測日誌をテーブルの上に開いて、ページをめくり
ながら話しはじめた。
「どんな魔法もそれが発動する時には、目に見えない痕跡を空間に
残す。魔法の発動にはマナを消費するからだ。そしてその痕跡は、
魔法の種類によって異なる」
老学士の指が、開いたページの図表や数字を追っていった。
「四週間前、きわめて強力な魔法の発動が観測された。投射型リコ
ールというのを聞いたことがあるかね?」
わたしは首を振った。老学士は続けた。「マークされたルーンを使
わずに、詠唱者を別の世界に直接投射する魔法だ。もちろん、いま
の人間にはそんな魔法はないが、エルフ族の古い文献に出てくる呪
文(スペル)と観測結果が一致した」その意味はわたしにも分かっ
た。何者かが未知のファセットからブリタニアに侵入したのだ。
老学士はテーブルの上にブリタニアの地図を広げた。
「ケンダル山とマジンシアの測候所からも、同様な報告があった。
三点観測で、おおよその場所を特定することができた」
「どこなんだ?」
「この島だよ! ムーングロウのどこかだ。これを見てくれ」
老学士は、さらにムーングロウの地図を広げた。「ここ数週間、島
の中央部の森林地帯のマナレベルがどんどん下がっている。そのエ
リア内では通常の魔法はもう使えないし、エリア上を移動魔法で通
過することも出来ない」
老学士の様子はすっかり憔悴しているように見えた。
「何が進行しているのか、もはや魔法的手段で観測することも出来
ないが、想像するに難くない」老学士の声は乾いていた。「まず尖
兵を派遣し、のちに本隊が上陸する。それは侵略の基本だ」
そのとき、にわかに騒々しい人声が建物の外であがった。

部屋のドアが乱暴に開いて、帯剣した騎士たちがどやどやと中に入
ってきた。ロイヤルガードだった。
開け放されたドアからは、外の様子が垣間見えた。建物の前の空き
地には青いゲートが開かれており、さらに人影を吐き出している。
「遅くなってごめんなさいね」騎士に続いて入ってきた女が言った。
彼女が動くと、長いブロンドの髪が締まった腰の上で揺れた。
「いままで何をしていたんだ!」老学士は声を荒げた。
「警報を送ったのは、四週間も前なんだぞ。いったい…」
「〈望遠鏡〉から警報が来るのは久しぶりだったのでね」女は悪び
れる様子もなかった。「それに、誤報も多いようだし」
後年に知ったことだが、老学士が送った警報は、彼女の元に届くま
での官僚的なステップのどこかでずっと滞留していたのだった。
わたしは彼女を個人的にも知っていた。国王不在のいま、ロイヤル
ガードの全指揮権はこの女隊長が預かっているのだった。
「警報”黄”の警戒態勢を発令してきたわ。今頃はブリタニアの主
要都市の部隊は、派兵準備を完了して待機しているはずよ」
豊かな胸の上で腕組をして、女隊長はぞんざいな口調で言った。
「今回も誤報であることを祈っているわ」
その視線が一瞬わたしの顔に止まったような気がした。思い出すよ
うな何かがあったとしても、もう何年も前のことだ。
建物の内外で、点呼をとる声や指示を叫ぶ声が交差していた。
兵士たちは日誌やチェスボードを無造作に床に払い落して、テーブ
ルの上になみなみと水の入った大きな水盤をのせた。
一人の魔道士が大股で入ってきて、その前の席に腰を降ろした。
その男は死霊魔道士(ネクロマンサー)だった。







(この物語はフィクションです。登場するキャラは架空のもので、
 物語の設定は実際のUOの設定には必ずしも準拠していません)

by horibaka | 2010-12-27 12:50 | その他 | Comments(0)
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