excitemusic

八雲のスローライフUO
by horibaka
ICELANDia
S M T W T F S
1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 31
カテゴリ
タグ
最新のコメント
リンク
*---お祭り・イベント---*

桜:さくらいべんとさぽーたーず
無限:六の市
倭国:倭国不定季祭
瑞穂:瑞穂バザー
瑞穂:うお色キャンパス

*---日 記---*

王国宝珠再生委員会
ごちゃごちゃメモ@UO
風和璃(Fuwa:Ri)
:: UO華麗なる孤独民 ::
ブリタニア旅日記
うるてまーち
あひるさんのおしり UO
まれにいろいろ
Unnamed
こゆきのゲーム日記
Strange Storage (こすもすの へんて庫)
仕立て屋ポーリオの手記
葡萄のUO日記
†覚醒†gift of my mind killed and death
RosemaryGarden
やしゃのあわわ日記
UOお弁当日記
Cotswolds
ゆきのぶろぐ♪
魚記@Hokuto
Violet’s Diary
Sephirot
君の背に揺られながら
++みそっかすぼうけんの書@UO++
SHAMPoO or NOTHING !! 2nd
ぼーっとしてみる
つれづれ夢芝居
呑む!打つ!キレる人の日記
すかいのUO珍道中
UOを楽しもう!
Varis家の日々これ安泰
NAOMINのUO日記
新★love sniper-mikari///diary・・・♪
YomiのまったりUO日記
Cafe de Minoc 日当たり良好!
今日も元気!Britannia Life


*---UO絵・UO漫画---*

ブリタニアの勇者達
漫画UOjournal
えるの倉庫
うるてぃまらりあっと
あいおいつぉん
むらさきうにのUO漫画
落書き倉庫的ブログ
ココロノアトリエ
陸猫UO
L’Oiseau Bleu
魚絵倉庫
*ねこだいすき*
くまくまのへや
UOん
221B
きこり姉妹
奇跡の人
トコロン王の大冒険
ささむけのほげもり

*---お店・酒場---*

ALEXANDRITE
Mi-Yew Store
のんたんTei
カフェ誤字
ダスタード酒場
Twins
旅立ちの扉亭
Club Smoky Medicine BAR
ムーンバッカスカフェ
BarBennu
まおうてい

*---ギルド・その他---*

乞食結社
風月庵(あみさこギルド)
笠教
またたび本舗
若桜杯
うるてぃまぶっくまーく
さくさくリンク

以前の記事
2017年 03月
2017年 02月
2016年 12月
2016年 11月
2016年 08月
2016年 07月
2016年 06月
2016年 03月
2015年 12月
2015年 11月
2015年 10月
2015年 09月
2015年 08月
2015年 07月
2015年 06月
2015年 05月
2015年 04月
2015年 03月
2015年 02月
2015年 01月
2014年 12月
2014年 11月
2014年 10月
2014年 09月
2014年 08月
2014年 05月
2014年 04月
2014年 03月
2014年 01月
2013年 12月
2013年 11月
2013年 10月
2013年 07月
2013年 06月
2013年 05月
2013年 04月
2013年 03月
2013年 02月
2013年 01月
2012年 12月
2012年 11月
2012年 10月
2012年 09月
2012年 08月
2012年 07月
2012年 06月
2012年 05月
2012年 04月
2012年 03月
2012年 02月
2012年 01月
2011年 12月
2011年 11月
2011年 10月
2011年 09月
2011年 08月
2011年 07月
2011年 06月
2011年 05月
2011年 04月
2011年 03月
2011年 02月
2011年 01月
2010年 12月
2010年 11月
2010年 10月
2010年 09月
2010年 08月
2010年 07月
2010年 06月
2010年 05月
2010年 04月
2010年 03月
2010年 02月
2010年 01月
2009年 12月
2009年 11月
2009年 10月
2009年 09月
2009年 08月
2009年 07月
2009年 06月
2009年 05月
2009年 04月
2009年 03月
2009年 01月
2008年 11月
2008年 10月
2008年 09月
2008年 08月
2008年 07月
2008年 05月
2008年 04月
2008年 02月
2008年 01月
2007年 12月
2007年 11月
2007年 10月
2007年 09月
2007年 08月
2007年 07月
2007年 06月
2007年 05月
2007年 04月
2007年 03月
2007年 02月
2007年 01月
2006年 12月
2006年 11月
2006年 10月
2006年 09月
2006年 08月
2006年 07月
2006年 06月
2006年 05月
2006年 04月
2006年 03月
2006年 02月
2006年 01月
2005年 12月
2005年 11月
2005年 10月
2005年 09月
2005年 08月
2005年 07月
検索
ブログパーツ
ファン
記事ランキング
ブログジャンル
画像一覧
AX

レクイエム【4】


・・・◆ 4/9 ◆・・・


エマとアンディが連れだって散策する姿は、島のあちこちで見かけ
られるようになった。いつしかそれはムーングロウの日常の風景に
なった。元来おおらか人々は、この背が高く頭におかしな布を巻い
た”おじいさんのお客さん”を受け入れた。
皮肉なことに当の老学士本人はそんなことは露知らず、一日中〈望
遠鏡〉の観測室に引き籠って誰にも会わなかった。

ある日、エマはアンディを連れて、牧場の傍の農家で一人暮らしを
している老女を見舞いに行った。
老女はテラスの揺り椅子に座っていた。二人が行ったとき、近所の
娘が刈ったばかりの羊毛を届けにきたところだった。
「紡ぐのは、腰が良くなってからでいいんだからね」青い帽子を被
った小柄な村娘は、無理はしないでねと念を押し、エマたちに陽気
に手を振ると、ラマに乗って帰っていった。
アンディはテラスの隅に置いてある樽が気になって仕方がないよう
だった。それは樽を使ったオブジェで、ピンクのフロッピーハット
がのせてある、ブリタニアではどこにでもある飾り樽だった。
「わたしの息子も」老女は衰えた目でアンディを見上げた。「派閥
戦争がなければ、あんたくらいの歳になっていたろうかね。むかし
は大きな戦争が幾度もあったけど、それで大勢死んだけど、いまは
ずいぶん平和になったよ」
それからエマを振り返って言った。
「エマや。裏の井戸で水を汲んできておくれ」
エマの姿が見えなくなると、老女は静かな声で言った。
「あなた、人間じゃないわね」アンディは急いで自分の身体を調べ
たが、人間の変身は解けていなかった。「目が不自由な分、わたし
にはいろんなことが分かるのよ。どんな種族なのかは大事なことじ
ゃないわ。大事なのは相手を思いやる気持ちよ。それを忘れないよ
うに。エマと仲良くしてあげてね」

別の日、二人が王立動物園に行くと、そこにはガマンに曳かれた運
搬車が止まっていた。荷台には鉄製の大きなケージが積まれていた。
中は暗くてよく見えなかったが、何か生き物がいる気配がした。
「手を出したら危ないよ」
ウィルソン教授に注意されて、エマは伸ばしかけた手を引っ込めた。
そっと近付いてケージを覗くと、中にはたくさんのモンバットがひ
しめいていた。
「この子たちをどうするの?」
「どうもしないよ。モンバットじゃ、客は来ないからね」
教授はそう言うと、ケージの中に餌を撒いた。
「生態系に異変が起きているようなんだ。森に住むモンバットが、
このところ里に出てきてね。田畑を荒らして困るので、猟友会に頼
んで捕獲してもらったんだよ」
「森で何が起きているの?」
「知っての通り、どんなモンスも基本的には魔法の力に依存してい
る生き物だ。マナの少ない土地では、モンスは生きられない。何か
の原因で、あの一帯のマナレベルが低くなっているのだろう」
餌の残りをエマに手渡して、教授は優しく言った。「なあに、こう
いうことは自然界では時々起ることだ。生態系が十分に回復したら、
また森に帰してやるさ」

ライキュームの学舎の中庭は、ちょっとした庭園になっていた。石
造りの古い建物に囲まれて、そこだけはよく手入れされた花壇や果
樹の緑が目に和む憩いの場所だった。
アンディは噴水の縁に腰を下ろして、図書館から借り出してきた分
厚い書籍に熱心に目を走らせていた。エマはその横に座って、辛抱
強く待っていた。
「エマ、魔法は上達したかい?」
通りがかった数人の若い学士や魔道士の見習いたちが声をかけてき
た。まだ新しいローブを粋に着こなした若者たちは、手に手に学術
本や呪文本(スペルブック)を抱えて、教室を移動する途中だった。
「ぜーんぜん」エマが素っ気なく答えると、彼らは屈託のない声で
笑い、口々に、がんばれよ、ぼくが個人授業してやろう、お前じゃ
無理だ、などと勝手なことを言い合った。
「エマのじいさんは、魔法嫌いだからな」
「ムーングロウは学術と魔法の都だ。魔法と科学は車の両輪なんだ」
「その台詞、昨日の授業で聞いたなw」
彼らはすぐに、自分達の会話に夢中になった。
「魔法が科学の発達を阻害していると主張する学士は、意外に多い
んだよ。例えばブリタニアの医学や薬学は、回復魔法に頼りきって
いるせいで遅れている。だから、既成の回復魔法が効かない疫病が
流行するたびに…」
「おい!」
調子に乗って長口舌をふるいはじめた一人を、他の者が肘で小突い
た。小突かれた方は、はっと気づいてばつが悪そうな声で本当にす
まなそうに言った。
「ごめんよ、エマ。気を悪くしたかい?」
「ぜーんぜん」

ライキュームからの帰り道は、眺めの良い小高い丘を通る道だった。
気持ちのいい風が吹きすぎて、道端の草花を揺らした。
「アレハ、ナニ?」アンディはびっくりしたような声をあげた。
彼が指さした先は、港だった。防波堤の内側の桟橋にはたくさんの
帆船が停泊し、入港する船と出港する船の航跡が交差していた。
「あれは船だお。アンディの国には、お船はないの?」
「アンナニ大キナノハ、ハジメテ見タ」
「アンディの国には、湖や海はないの?」
「アルヨ。デモ、ワタシタチハ、飛ベルカラ。船トイウモノハ、ア
マリ発達シナカッタンダ」
エマはじっと彼を見つめた。
「旅人は、いつか国に帰るんだよね」
「ソウダネ」
「あたし、アンディの国を見てみたいな。練成ができるフォージや、
ロイヤルシティの宮殿や博物館や、でっかいもふもふの羊を見てみ
たい。お願い、アンディが帰るとき一緒に連れて行って」
アンディはそれには答えず、エマの頭をただ優しく撫でた。
「友達は、見捨てないのよ」
「友達ダカラ」


月は欠け、また満ちていった。
ブリタニアの時間は、あっと言う間に過ぎていった。アンディは何
事か考え込み、無口になることが多くなった。別れのときが近づい
ているのを、エマの幼い心は敏感に感じ取っていた。






(この物語はフィクションです。登場するキャラは架空のもので、
 物語の設定は実際のUOの設定には必ずしも準拠していません)


by horibaka | 2010-12-26 12:46 | その他 | Comments(0)
<< レクイエム【5】 レクイエム【3】 >>