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・・・◆ 2/9 ◆・・・


森の奥の、石造りの小さな廃屋がエマの秘密の場所だった。
ブリタニアの治安がいまほどよくなかった時代、ムーングロウにも
しばしば戦火が及んだことがあった。また海賊が横行した時代には、
上陸した海賊団が村を焼き払っていったこともあった。
そんなとき人々は森に逃げ込んで難を逃れた。そのため森の奥深く
には、幾つもの隠れ里があったのだが、時代が下り、総じて世の中
が平和になるにつれてその存在は久しく忘れ去られてしまっていた。
その小屋も、そうした古い時代の名残だった。
小屋の中はそれなりに片付いていて、いままでエマが少しずつ家か
ら運んできた雑貨や人形などがちまちまと並べられている。
そしてシーツをかけたベッドの上には、あの有翼の異邦人が寝かさ
れていた。

エマが小屋に入ると、ガーゴイルは目を覚ましていて、ひどく警戒
した様子を見せたが、彼女が一人なのがわかると差し出された果物
を受け取って食べた。
その様子を見つめるエマの顔には恐れもなかったが、感慨もなかっ
た。人形のように整った顔立ちは、まるで無表情だった。
「あなたの名前はなんと言うの?」
エマが聞いた。
「ナマエ?」
ガーゴイルはエマの言葉を繰り返した。
エマは自分の胸に手を当てて「エマ」と言い、そしてガーゴイルを
手でさして待った。
ガーゴイルはその仕草を真似て自分を手でさし「エマ」と言った。
「ちなうよ、エマはあたし」
ガーゴイルは間違いに気づいて、自分を指さして何か言ったが、そ
の音節は人間の可聴範囲を超えていた。森の中の何処か遠くで犬が
激しく吠えた。
「わかんないよ」
ガーゴイルは少し考えてから、ゆっくりと言い直した。
「ワタシ、旅ヲスル者」
「旅人さんね」
「ワタシ、旅人」そして彼女を指さして「エマ」
エマは頷いた。“旅人“は名前ではないが、話が通じたのは進歩だ
った。次の質問を考えていると、ガーゴイルの方から聞いてきた。
「ナゼ、タスケル?」
「おじいさんがいつも言ってるから。困ってる人は助けてあげなさ
いって。人は助け合わなきゃいけないって」
「人ジャナイ」
「見ればわかるよ、そのくらい」
「怖クナイノカ?」
「怖いって、わからないから」
そう話す彼女の声は、淡々としていて起伏がなかった。
「あたし病気なの。そういうの、わからないんだ。嬉しいとか、悲
しいとか、怖いとか」
「人間ハ、ミンナ、ソウカ?」
「あたしだけだよ。心の病気なんだって」
ガーゴイルは瞳のない目でエマを見つめた。
「だからあなたのことも怖くない。困ってるなら助けてあげるよ」
「他ノ人間、キット怖ガル。ワタシ、ココイル、ヒミツ」
ガーゴイルが人間の言葉を覚える速さは、尋常ではなかった。
エマがもう何歳か年長だったら、彼に念話の能力があることに気づ
いたかもしれない。
「とにかく、呼び名がないのは不便だから」エマは腕組をして、首
をかしげた。「何か名前をつけてあげなくちゃね」
「ワタシノ名前、エマ、ツケル」
「木の下に倒れていたから、あなたの名前は“アンダーツリー“」
「長イヨ」
「それじゃ、縮めてアンディね」


それから毎日、エマはせっせと森の奥の小屋に通った。
祖父はエマの行動に気づいた様子もなく、ほとんど一日中〈望遠鏡〉
の観測室に籠っていた。
たまに母屋に戻ると、台所の方から「エマ、フライパンを見なかっ
たか?」などと姿も見せずに声だけかけてきた。
「知らないよお」
エマは大きな声で返事をすると、カバンからはみ出ているフライパ
ンの柄を押さえながら、森への小道をパタパタと駆けていった。

エマは祖父の食糧庫から持ち出した肉や魚をフライパンで調理しよ
うとしたが、何度詠唱しても発火の魔法は失敗した。
「おかしいなあ。簡単な魔法なのになあ」
アンディと呼ばれることになったガーゴイルは、何か小さな器具で
火を起こすと、エマからフライパンを受け取り、器用に調理した。
「アンディって、お料理上手だね」
「旅人ダカラ」
エマは他に何冊も絵本を持ってきていた。アンディが字の読み方を
教えてほしいと頼んだからだった。小屋の中にはその他にも、彼の
興味を引く物がいろいろあった。
「コレハ?」
アンディは水晶球を指さして聞いた。
「街水晶だよ。それはミノックの風景」
水晶の中には、どこかの街の画像がおぼろに浮かんで見えた。
「コレハ?」
「アワーグラスだよ」
それは魔法を使った砂時計の玩具で、ブリタニアでは珍しいもので
はなかった。上の砂が落ちきると、魔法で上下が回転してまた砂が
落ちはじめ、延々とそれを繰り返すというものだった。
だが、いまそれは動いていなかった。
「おかしいなあ。壊れちゃったのかな」
エマは砂時計をひっくり返してみたが、上の砂が落ちきるとそれで
終わりだった。
「コレハ?」
アンディは別の物を指さした。
「それは楽器。吟遊詩人さんみたいになりたいんだ」
エマはそう言うと、子供用の弦楽器を手にとって構えた。
「一人で練習しても、すぐに飽きちゃう。聴いてくれる人がいない
んだ。アンディ、聴いてみる?」
「ナントイウ曲?」
「ストーンズっていう曲だお」
エマが楽器を弾きはじめると、なぜ聴き手がいないのかが明らかに
なった。小屋の中に耐え難い不協和音が鳴り響いた。






(この物語はフィクションです。登場するキャラは架空のもので、
 物語の設定は実際のUOの設定には必ずしも準拠していません)


by horibaka | 2010-12-24 12:39 | その他 | Comments(0)
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