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八雲のスローライフUO
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・・・◆ 1/9 ◆・・・


深夜。
風のない夜空には、明るい二つの月がかかっていた。それはまるで
島を見降ろす二つの目のようにも見えた。
月はすでに中天からだいぶ傾き、街や村の家々は灯りを消して寝静
まっていた。港には出入りする船の灯火はなく、停泊している大型
船もみな灯りを落とし、帆をたたんでひっそりとしていた。単調な
波の音だけがただ寄せては返していた。
日中は人通りの多いライキュームの寄宿舎や講堂も、この時間は出
歩く者の姿もなかった。
王立動物園では、夜行性のモンスだけが光る目で檻の中をうろつき
ながら、時折低い唸り声を漏らしていた。
月の光(ムーングロウ)の名前をいただくこの島も、いまは草木も
息をひそめ、深い静寂が支配していた。

島の南端近く、岬の崖の上に建つ大きな建造物の中では、一人の老
学士がまだ起きていた。
天文台に似た外観をしていることから〈望遠鏡〉と呼ばれるその建
造物の内部はどこも薄暗く、びっしりと並んだ機械装置のランプの
明かりが浮かび上がって見えた。大小さまざまな歯車(ギア)がカ
タカタ、カチカチと音をたてている。
老学士の傍の大きなテーブルには、分厚い日誌や書籍がいまにも崩
れそうなほど積み上げられており、その隅には指しかけのチェスボ
ードがのっていた。
老学士は機械装置のひとつを覗きこみながら、観測記録の日誌にペ
ンを走らせていた。
そのとき、装置のひとつにランプが点灯した。錆びた鐘のような警
報の音が鳴った。老学士は怪訝そうに眉根を寄せ、ゆっくりとそち
らを振り返った。その表情が険しくなった。
それはもう何年も鳴ったことがない音だった。


ムーングロウの〈望遠鏡〉で観測された警報は、魔法的な力によっ
て、ほぼ同時刻に、遥か遠く離れたブリタニア大陸本土の某所にも
送られた。


島の中央部を覆う広大な森の奥深く。
ふいに強い風が巻き起こって、木々の枝がざわめいた。
何か強い力が作用しているのか、何もない空中に放電の火花が激し
く走った。大きな破裂音が響いて、高さ3メートルほどの空中に黒
い人影が出現した。
人影はそのまま地上に落下して鈍い音をさせて弾んだあと、動かな
くなった。


翌朝。
〈望遠鏡〉に隣接する母屋の台所で、エマは自分で作った朝食を一
人で食べ終えた。未明まで観測をしていた祖父を起こさないように、
そっと母屋から出て行こうとすると、
「森には入っちゃいかんぞ」
寝室の中から老学士が声だけかけてきた。
「はあい」
エマは大きな声で返事をした。元気のいい声だったが、その声には
まるで抑揚というものがなかった。母屋を出ると、彼女は真っ直ぐ
森への小道をパタパタと駆けて行った。

高い木々の梢が頭上を覆い、森の中は日中でも薄暗かった。井戸の
底から見上げるように、空はときおりわずかに見えるだけだった。
エマは、厚く積もった落ち葉を足で掻き分けるようにして歩いた。
肩から下げたカバンは大人用で、彼女の小さな身体には大きすぎて
半ば地面を引きずっている。
エマは数えで八歳。
まだ幼い顔立ちを、長く伸ばした水色の髪が半分隠していた。
斜めにさす木漏れ日が、その髪を輝かせた。
いつもと同じように、一人で秘薬拾いをしてまわる早朝。
森の奥は広く深く、普段でも立ち入る者はなく、いままで誰の姿も
見かけたことがなかった。
その朝までは。

エマが見つけたとき、その男は気を失っているようだった。
空を支える柱廊のように林立する巨木の根元、厚い落ち葉に半ば埋
もれるように男は身動きもしないで横たわっていた。
「どうしたの?」
彼女は声をかけた。
着ているローブには見たことのない異国風の模様があり、頭に被っ
たフードが表情を隠していた。
「お腹が減っているの?」
相手を気遣う言葉だったが、その声には感情がなく芝居の台詞の棒
読みのようだった。
男の頭がわずかに動き、フードの奥の目が見上げた。
吸い込まれそうな深い青色の眼だった。
だがその眼には瞳がなかった。
男は身体を起こそうとして、呻き声を出した。
「怪我をしているの?」
男はどうにか半身を起こした。
エマはカバンから水筒を取り出して差し出した。
「お水」
男は戸惑ったようだが、それでも水筒を受け取った。
その指の数は人間とは異なっていた。
エマが頷いて飲む仕草をして見せると、男も手にした水筒に口をつ
けて飲みはじめた。フードが後ろに落ちて、男の青黒い頭部が露わ
になった。その額には短い二本の突起がついていた。
男が人間(ヒューマン)でないことは明らかだった。
しかし、エマの顔には驚きも恐れもなかった。
無表情なままで男の容姿を上から下へ観察した。蝙蝠のような黒い
大きな翼、靴を履いていない足には鉤爪。
人に似た姿をしていて、背中に翼があるものは何だろう?
エマは考えたが、思いつかなかった。

彼女が分からないのも無理はなかった。
その頃、まだブリタニアではこの有翼の種族のことは知られていな
かった。ブリタニアとテルマーの間にムーンゲートが開通して、ガ
ーゴイル族が人間の土地を自由に往き来するようになるのは、それ
からまだ十年後のことだった。







(この物語はフィクションです。登場するキャラは架空のもので、
 物語の設定は実際のUOの設定には必ずしも準拠していません)


by horibaka | 2010-12-23 12:30 | その他 | Comments(0)
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