時には追憶の風に |
2008年7月26日(土) ◆ 桜シャード ◆ Fの海辺に、この小さな家を建ててから もう何年にもなります。 あの頃からいろんなことがあり、 姿を見ることがなくなった人もたくさんいますが… この場所の、この風景はあの頃と変わっていません。 そして、この家も… ◆ そんな物思いにふける夜、 稀人(まれびと)が訪ねてきました。 その人は、 もう3年以上前にこの近所に住んでいました。 ときどき言葉を交わしたり、 ペットを蘇生してもらったりしたことがあります。 懐かしい名前は、時を経ても見忘れはしませんでしたが ただ、その色は赤でした。 こんばんわ、おひさしぶりです。 と、こちらが挨拶をすると 「もうすっかり悪人になってしまったのに…」 懐かしんでもらえるとは思っていなかったのか、 言いよどむ彼に、ぼくは酒を勧めました。 時がたてば、いろんな事が変わります。 それは避けられないことです。 そんな、変化する万物の狭間で、 名前の色の違いなど、些細なことではありませんか。 いろいろと懐かしい思い出話をしながらも、 カウントを数えて、もう戻れないなと彼は言いますが… 人の進む道はそれぞれですよ。 Fの荒野に吹く風は気まぐれで、 12の方位のどちらに向きを変えるかは、誰にもわかりません。 きっとまたいつか、違う風が吹くこともあるでしょう。 彼は何か言いかけたようですが、 そのときちょうど呼び出し(スクランブル)がかかったようでした。 「行きます、それじゃ」 と言う赤ネームを、 「ご武運を」と言って見送った夜でした。 6:28 2009/11/18
|
by horibaka
| 2008-07-26 06:18
| 桜日記
|
Trackback
|
Comments(0)
|
<< NIGHT AT THE MU... | 秘密の花園 >> |